夸父(こほ)は中国神話にて、北方の地に棲んでいたとされる巨人族である。
彼らは成都載天という山に住み、黄色い二匹の蛇を耳飾りにし、二匹の蛇を手にしているという。体の大きさに関しては明確に記されてはいないが、夸父の勇者に関する話からスケールの大きさを伺うことが出来る。
ある夸父の勇者は自分の能力を考えることなく、原野を走って太陽が沈んでいく谷へ追いついた。そこで喉に渇きを覚えたため黄河の水を飲んだのだが、飲み干せども乾きは治まらない。さらに彼は謂水の水も全て飲み干してしまうのだが、それでも渇きは癒されなかったため、北にある百里四方もある広さの大択という湖に行き、その水を飲もうとした。しかし、急ぎ駆けていったものの、結局その途中で死んでしまったという。
この時、地にうち捨てられた夸父の杖は大樹となり、彼の死体の脂肪や肉を肥料として育ちいつしか数千里もの広さの林となった。また唐代の文献には、湖南省東部にある3つの高い山を夸父が飯を炊く時に使ったかまど石である、とその地の古老が伝えると記している。
(加藤文規 ミステリーニュースステーションATLAS編集部)