かつてアメリカで恐れされた怪人がいる。それが黒尽くめの服装で麻酔薬を噴霧する背の高い怪人・マッドガッサーである。
最初に報告されたのは1930年代であり、この時は噴霧した犯人が逃げ去った現場に女物の靴が残されていた。次に出現したのは1944年9月、イリノイ州のマトウーンという小さな町をパニックに陥れている。
アーリーン・カーニーという主婦は甘いにおいをベッドで嗅ぎ娘が病気にでもなったのかと思い、ベッドから降りようとしたが、何故か体が動かなくなった。この状況に関しては、家にいたアーリーンの姉妹が証言しており、午前12時30分に自宅に帰ってきたタクシー運転手の夫は、ベッドルームの窓の外で不審者を発見し、追跡したが、不審者は逃げきったという。
この事件後、ナチス工作員による一般人へ毒ガスが計画されているという情報と合わさってパニックが広がっていき、市民らによる自警団や州警、FBIが捜査に当たって一人の男性が容疑者に挙がった。しかし、この容疑者を管理下においた後も事件はおき続け、真犯人は別にいると思われた。
このマッドガッサーは、戦争やテロに関する恐怖から産まれた都市伝説と見られているが、現在でもマッドガッサーらしき怪人の姿は目撃されている。中には海を越え、ヨーロッパで目撃されたケースも存在しているのだ。
2013年8月、スイスの森林地帯で撮影されたものだ。そこには迷彩柄の服を身に纏い、ガスマスクのような物で顔を覆っている謎の人物の姿が映っていたのである。撮影場所はマウレ・フォレストと呼ばれる場所で、この近辺では同様の姿をした謎の人物の目撃証言が相次いでおり、住人は不安がっていたという。
なお、現地ではこの怪人は「Le Loyon」と呼ばれており、間近で目撃した人物によればガスマスクの下はただ黒く、目も鼻も何もないように見えたという。
果たして、この怪人物の正体は何なのか。都市伝説の怪人が本当に現れたのだろうかと、オカルト研究者は注目している。
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The terrifying mystery of Le Loyon
(ミステリーニュースステーション・アトラス編集部)