いまやトップスターの俳優である唐沢寿明。
実は下積み時代が非常に長かった俳優のひとりである。デビューは高校中退後の1980年で芸歴は実に30年を越える。しかし、デビュー当時は全く俳優の仕事が無く斬られ役やエキストラ、照明助手などで生計を建てていたという。
そんな唐沢寿明初期の仕事に『10号誕生!仮面ライダー全員集合!!』(1984年)のライダーマンの吹き替えがある。
ライダーマンとは仮面ライダーシリーズに登場したヒーローのひとりで他のライダーとは違いマスクが半分しか無く、口元が露出しているのが特徴だ。
唐沢はこの番組にはもともと怪人役のスタントマンとして参加していたのだが「お前、口元がライダーマンに似ているな!」という理由で急きょライダーマンも演じることになったのだという。
唐沢本人はライダーマン役を演じたことを誇りにしており、テレビでもよくこの頃の思い出を語っている。
後年、唐沢は主演映画『イン・ザ・ヒーロー』でヒーローのスタントマン役の俳優を演じるがこれは唐沢に上記のエピソードに因んでいるキャスティングである。スター俳優は下積み時代のエピソードを避ける傾向にあるため、唐沢のように全てオープンに話す俳優はかなり珍しいという。
なお、唐沢寿明はスタントマン時代は本名の唐澤潔で多数の特撮番組に出演。気になる方は探してみるのも面白いと思う。
(ミッチェル横山 ミステリーニュースステーションATLAS編集部)
※画像は『仮面ライダースペシャル 』[DVD]パッケージより