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イギリス王家に伝わる呪いの宝石「コ・イ・ヌール」ダイヤモンド

東京・上野の国立科学博物館にて、かの大英帝国の美術品や財宝の数々を所蔵する大英博物館分館である「大英自然史博物館」の所蔵品370点が展示される企画展が3月18日から行われる。

この展示のなかで、一際いわくつきのものが「呪われたアメジスト」である。19世紀に英国領だったインドで起きた大反乱の際に英国軍大佐の手によって持ち出されたが、多くの所有者を不幸にし、最後の所有者だった人物が死亡した後に寄贈されたというもので、運河に投げ捨てても3ヶ月後には舞い戻ってきたという逸話がある。




呪いの宝石というものは世界中に存在しており、有名なものはスミソニアン博物館に展示されている「ホープ・ダイヤ」だが、イギリスにも有名な呪いのダイヤモンドが王室の宝物として存在している。それが「コ・イ・ヌール」だ。

今から5000年以上前にインドで発掘された105カラットのダイヤモンドで、名は「光の山」という意味がある。そして手にした者は世界の富と名誉を手にする程のパワーが得られるが、同時に全ての呪いも受けねばならない、という伝説がある。

このダイヤは初め、ペルシャのナディル・シャーがインドのムガール帝国から手に入れるがたちまち呪いがかかり、野心家の部下の謀反により暗殺されてしまう。その後コ・イ・ヌールはアフガンの王に贈呈されるが、ここでも呪いが猛威をふるう。贈られたアフガン王家では王族・貴族の間で骨肉の争いが勃発。血を流しあいながら財産を奪いあう結果になる。

さらにはコ・イ・ヌールはラホールという都市において、とあるマハラジャの手で寺院に封印されることになった。ところが、1849年のイギリス軍侵攻により、イギリス本国に持ち去られイギリス王室の宝物となったのである。




だが、イギリス王家は現代まで続き、壊滅的な不幸や破滅が訪れたと言う話はない。不思議なことに、このコ・イ・ヌールは男性が所有者である場合は悲惨な結果を招くが、女性が所有者である場合はそこまでの不幸は起こらないのだ。あった所で近代のスキャンダルや恋愛醜聞がせいぜいである。

もしかすると、コ・イ・ヌールは女性の手元で一つの宝飾品として輝く事を一番望んでいたのかもしれない。

(監修:山口敏太郎 / 加藤文規 ミステリーニュースステーションATLAS編集部)

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