事件

『ATLAS』へ頂いた読者のご意見「震災をテーマとした記事に思う」

※以下の記事は本サイト『ATLAS』の読者の方からご提供いただいたご意見になります。

『ATLAS』で提供している山口敏太郎タートルカンパニー制作の記事および監修者の山口敏太郎につきまして貴重なご意見をいただきましたので、本人の許可のうえ本記事を掲載させていただきます。

株式会社山口敏太郎タートルカンパニー

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【震災をテーマとした記事に思う】

ATLAS読者であるエセ懐疑論者の率直な意見です。

「すべての悲惨な事件、事故も時を経たらエンターテイメントになる」

記憶に頼るので一字一句が正確ではありませんが、私が敬愛するある漫画家の至言です。人類史上、最大の不幸である第二次世界大戦ですら映画の材料となり、「東西対抗」や「紅白戦」なども元をたどればこの言葉の深い意味をご理解いただけるでしょう。

しかし、時間が経っていない生傷をエンターテイメントとするのは禁物です。

こう書きたくなるのは、最近のATLASの記事について。震災後、それまでのペースを震災関連の記事だけで上回るではないかと言う勢いです。もちろん、有益な情報を扱うなら問題ありませんが、こじつけや「ネットで噂される…」と前置きした出所不明の情報をまことしやかに流布している様にも思えます。

災害はイベントではありません。

オカルトを扱うサイトに対して何を目くじらをたてているのか? と思う方も多いでしょう。しかし、私が知る限りATLASの代表である山口敏太郎氏の目指すものは「悪しきオカルトの排除」であったはず。この流れは人々の不安を煽るデマや弱みに付け込むインチキ霊能者などを滅多切りする姿勢に反するように思え、あえて苦言を呈します。

オカルトと言う色眼鏡で見られがちの分野で「不謹慎なサイト」のレッテルを貼られては、山口氏の目指す未来とは逆方向に行ってしまう恐れがあります。

私はネットで文章を書く際、それを目にする可能性のある人を想定し、その人が目の前にいても同じ主張ができるか? を自答しながら内容と公開範囲を考えています。もちろん、この文章もATLASで震災関連の記事を書いたライターの方々を目の前にしても同じことが言える内容を心がけているつもりです。

翻ってライターの方々。今回の熊本を中心とした地震では先の見えない避難生活のなか、不安を抱える被災者をいまだに強烈な余震が襲っています。あなたの記事を彼らの前で朗読できますか?

全ての人を傷付けず、多くの人を満足させる文章など書けないのは理解しています。

しかし、逆に自分の文章で多くの人が楽しむと同時に一部の人を傷付けてしまう事を覚悟できているでしょうか。その一部の人の抗議と向かい合う覚悟が。

4月19日に「編集部より」として打ち出された文章は、ライターの一人一人にその覚悟を問うたものだと受け取りました。

市井(しせい)の一読者が出過ぎたマネをしましたが、このサイトがより発展することを切に願っています。

文:福岡県のSさん

構成:山口敏太郎事務所