唐突な「シン・ゴジラ」の登場、まったくスタジオに出てこないタモリとマツコ、ゴジラを凍らすXJAPANや新垣結衣のアドリブ「恋ダンス」など、例年に比べ話題の多かった2016年の紅白歌合戦。
「内容を詰め込みすぎ」「謎な演出が多かった」という批判もあったが、バラエティ番組のような演出が多く「面白かった」という視聴者も多く、様々な話題が盛りだくさんの2016年を締めくくった。
ところが、年を超えても「あれはいったいなんだったのか?」と視聴者のモヤモヤが晴れない演出があったという。
それは番組ラストの「投票結果」である。今年の紅白は会場の会場投票と視聴者投票の二つに分かれており視聴者投票は紅組252万7724票、白組420万3679票となんと、倍近い票が白組に集中することになった。さらに会場投票も紅組870票、白組1274票でこちらも白組の圧勝となっている。
ところが、何故か最終結果は紅組の勝利となってしまった。紅組が優勝となった決め手はゲスト審査員の投票であり、ゲスト審査員の11人は数字の1票ではなく投票ボールをひとつずつ持っており最終的にボールの数により優勝が決まるというシステムがはじめて敷かれていたのだ。
会場投票での優勝はボール2個に相当し、視聴者投票もボール2個に相当する。審査員側は紅組に9個、白組に2個ボールを投票したため、総計15個のボールのうち最終的に紅組に9個、白組6個で紅組の逆転勝利が決まってしまったのだ。
このルールは視聴者はもちろん、出演者や司会者も何が何だかわからない仕組みで(明らかに動揺している姿が放送された)「よくわからないまま紅組が優勝してしまった」というのが、多くの視聴者の感想だという。
今年に限って、投票にいきなりボールの概念が出てきてたのは視聴者による組織票を防ぐためとも言われているが、恐らくはゲスト審査員と会場、視聴者の投票のバランスを取るためという説が濃厚で、各々の結果もNHKの公式HPに掲載されているため、ヤラセではなく実はフェアなシステムである。
もっとも視聴者に割り当てられたのが、たったのボール2個では投票した人の思いが軽んじられているという批判はあるが・・・。ただし例年の紅白歌合戦において紅組、白組どちらが勝ったかは、あまり重要な要素ではなく正月を三が日も過ぎれば忘れてしまう人が多いのは事実だ。
また、今回のボールシステムはゴジラと同じく今年、話題になった「ポケモンGO」のオマージュ(モンスターボールを投げるモーションのインスパイア)のために行われたという都市伝説もあるが、ならば審査員は「マスターボール」や「スーパーボール」などのモンスターボールの上位互換のボールを用意し、より一層「ポケモン」の世界観に近づけたほうが良かったのではないかという意見もあった。
(文:ミッチェル横山 ミステリーニュースステーション・ATLAS編集部)
※画像はNHK紅白歌合戦HPより