呪術・魔法

日本の超常現象研究第一人者・福来友吉博士の実験

12月24日(土)、年末恒例のオカルト特番ビートたけしの超常現象(秘)Xファイルが放送された。

この番組で恒例となっているのが、超常現象肯定派と否定派の論戦だ。今回は番組の流れに沿ったものでピックアップされる形ではなかったが、あのやりとりを楽しみにしている人は多いのではないだろうか。




だが、実際には否定派にせよ肯定派にせよ、真に超常現象を解明しようとする場合は冷静な視点と事実に基づいた検証を重ねる必要がある。こういった超常現象の解明は海外で活発だが、日本でも行われていた。

2014年、筆者は岐阜県立博物館が開催した特別展「奇なるものへの挑戦」に協力させて頂き、記念講演までやらせて頂いた。実は岐阜県は福来友吉、田中守平など霊術家を多数輩出している場所でもある。

この福来友吉博士は、ジャパニースホラーブームの魁となった「リング」シリーズに出てくる伊熊助教授のモデルであり、明治から大正・昭和にかけて超能力研究を行い、日本を一大サイキックブームに染め抜いた人物である。

千里眼や念写といった超能力の研究に没頭した博士は、東京帝国大学の今村新吉ら仲間の学者と共に実施した公開実験がインチキだとバッシングを受け、結果的に大学を追われてしまうが、その情熱は冷めることなく、御船千鶴子や長尾郁子、三田光一という多くの超能力者を発掘した。




現在、岐阜県高山市の城山公園内に福来博士の研究内容についての展示がなされているが、岐阜県内で博士に対する評価は低い。昭和8年には、三田光一の念写実験を岐阜市公会堂にて行っているが、その事実もあまり知られていない。

超常現象は胡散臭さが漂うものであるが、その仕組みを解明していくことで人の心理や科学現象が密接に関わっているものだと判明していくものでもある。そして、それでも解き明かされずに謎が残る事もある。超常現象の研究は、全てが無駄なものだとは言い切れないものなのである。

(山口敏太郎 ミステリニュースステーション・アトラス編集)