モノマネ芸人のコロッケ氏が今回、震災被害の大きかった熊本市の避難所にて海苔巻きおよびパン1000個を送り届けた。
コロッケ氏は復旧した熊本空港の第1便で駆けつけたという。
コロッケ氏は熊、本市の出身でモノマネをはじめたのも地元・熊本のショーパブでありコロッケ氏にとっては生まれ故郷である。
このニュースを見た人たちからは、「なかなかできることじゃない」、「感動した」という声が相次いだが、一部では「(差し入れは)コロッケじゃないんだ」、「コロッケとパンならわかるがなぜに海苔巻き?」といった声もあったのも事実である。
芸名が「コロッケ」だけに勘違いをされやすいという事情はもちろんあるが、ソースや食器が必要な食べ物ではなく手軽に食べられるパンや海苔巻きの差し入れを行ったコロッケ氏の気遣いは、被災者にとって非常に励みになったことだろう。
さて、コロッケ氏とパンそして熊本の災害には切っては切り離せない関係があるのをご存知だろうか。
コロッケ氏の祖父・滝川誠夫氏は熊本で「滝川パン」というパン屋を開業した実業家であった。当時「滝川パン」は熊本市内で愛され従業員は80名以上在籍しており非常に繁盛していた。
しかし、1945年に発生した熊本大空襲で滝川パンは店舗が全焼。やむなく廃業となってしまった。
廃業から60年。孫であるコロッケ氏は2011年に発生した東日本大震災に心を痛め「ものまねキャラバン」として東日本復興支援チャリティコンサートを行うなど活動してた。
そんななか、コロッケ氏は戦争で焼かれた祖父のパン屋のことを思い出し東北の復興のため「滝川パン」の復活を決意。
監修という形で「滝川パン」の復活を成し遂げ、2015年には福岡天神に店舗を復活させたのだ。
そんな自身の背景もあり、今回の熊本地震はコロッケ氏自身、いてもたってもいられなかったのだろう。今回の差し入れられたパン1000個は、コロッケ氏の祖父の代からの願いでもあったのだ。
コロッケ氏は名前こそコロッケだが、その志はパンのヒーロー『アンパンマン』のように熱く優しく被災した熊本を見続けている。
文:横須賀小禄
※参照※
【滝川パン公式サイト】