モンスター・ビフォア・クリスマス!「クランプス」&「黒いサンタ」

あと2週間程度でクリスマスが訪れる。プレゼントを交換し合ったり、ケーキなどのご馳走を楽しみにしている人も多いのではないだろうか。

クリスマスの日に、子供の元にプレゼントを持って訪れるサンタクロースは、キリスト教の聖人である聖ニコラウスの伝説が元になっているとされている。日本では白いファーの付いた赤い服に、豊かな髭を生やしたおじいさんという格好が一般的だが、国が違えば姿も違う。国によってはよりキリスト教の聖人らしく、聖職者のような格好でイベントなどに姿を現す場合もある。




クリスマスに姿を現すのはサンタさんだけではない。中には恐ろしい化け物を連れ立っている場合もあるのだ。

中欧のハンガリーやルーマニア等では、クリスマスの前に「クランプス」という化け物が人々の前に現れ、暴れるとされている。

本来は夢魔に似た妖怪で、原型は錆びた鎖と鐘を持って現れる毛むくじゃらの野人だ。クランプスは悪い子を地獄へ連れ去ってしまうと言われ、近年の絵などではカゴを持った姿でも書かれている。そして、子どもに鞭を振るって親の言うことを聞く用に諭す。

なお、12月最初の2週間に現れるとされ、この時期にクランプスの扮装をするイベントも行われている。

他にもドイツでは「黒いサンタ」こと「クネヒト・ループレヒト」という妖怪がサンタと共に現れる。

サンタと同じく長いひげを生やした老人だが、こちらは毛皮や地味な色のローブに身を包み、長い棒や灰の袋を持っている。そして子どもたちにお祈りができるか尋ね、できると答えたいい子にはお菓子を、出来ないと答えた悪い子は灰袋で叩く、ないしは嬉しくないプレゼント(石炭や石)をプレゼントするのだという。

なお、北西ドイツのBelsnickel、オランダやベルギーのズワルテ・ピート (Zwarte Piet) 、フランスのLe Père Fouettardなど、地域によっていくつかのバリエーションがある。




これらの妖怪たちはただ恐ろしいだけの存在ではなく、ちゃんと子供に教え諭す一面が存在する。日本の東北地方などで年末に現れる、なまはげのような妖怪なのだ。

子供を大切に思う気持ちがこれらの妖怪を生み出すのだろう。 

(加藤文規 ミステリーニュースステーションATLAS編集部)

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