近年注目を集めている「へんなもの」に「エイリアンのひもの」がある。
尖った頭につり上がった目、たらこ唇。全体的に薄っぺらく、ひれのような物がある。まるで宇宙人のような外見だが、この正体は何なのだろうか。まさか本当に未確認生物とでも言うのだろうか?
実はこれは中世ヨーロッパで盛んに取引された『海のドラゴン』の乾燥標本、『ジェニー・ハニバー』だ。
奇怪な姿だが、漁師たちの間では幸運の守り神とされ、珍しがった当時の貴族や博物学者たちはこぞって求めたという。
現代ではジェニー・ハニバーはガンギエイに切れ目を入れ、変形させた後に乾燥させたものだと判明しているが、当時海に遠い所に住んでいた学者達はエイが変形してこのような姿になったとは知らなかったため、『海のドラゴン』の標本と考えたようだ。なお、この誤解があったのは短い間だったようで、後にエイを加工した珍奇な物品として取引されるようになったようだ。
山口敏太郎所有のジェニー・ハニバーは通常のものと違い、体が長く厚みのあるものとなっている。これはガンギエイの仲間、サカタザメの稚魚を加工したためだと考えられる。このジェニー・ハニバーは、お台場の「山口敏太郎の妖怪博物館」で見ることが出来る。
ちなみにジェニー・ハニバーの一大『生産地』は江戸時代の日本であった。
このジェニー・ハニバーは海外産だが、国内でもまだ生産している地域が残っているという。加工自体は難しい物ではないため、まねして作ってみた人も多いようだ。
変わった加工品として有名になってしまったため、中にはガチャガチャのアイテムになったりもしている。このガチャガチャも出来が良いので、もしどこかの店舗でガチャガチャを見つけたならば、回してみるのも良いかも知れない。
(ミステリーニュースステーション・アトラス編集部)
※画像 ザ・珍干物©T-ARTS