本日、筆者は「5時に夢中」にて心霊写真のトリックを暴くコーナーに出演する予定である。
かつて昭和時代の頃は、必ず教室に学級文庫というものがあり、皆で寄せ合った本を並べていたものである。中でも必ずあったのが今は亡き中岡俊哉先生の心霊写真シリーズであった。今でも脳裏に焼きつくような強烈な心霊写真が多々あり、その迫力に小学生だった筆者は圧倒された。
だが、今となってはその半分近くがフィルムを使うがゆえの二重写しであったり、単純な第三者の写り込みであったことが判明しつつある。そういう意味では、心霊写真とはオカルト分野で完全にリアリティを失ったものである。
数年前から、筆者は完全のホラー分野における論理崩壊した心霊写真を立て直すには、もはや千利休の茶の湯のような心霊見立てしかないと主張してきた。完全にプロレスと割り切って、「ここに顔が見えます」「ここに動物霊が見ますね」と言った”見立てるエンタメオカルト”というコンセプトしか心霊写真は生き残れないと言ってきたのだ。
現在、デジカメやスマホに心霊が写り込むのが心霊写真の定番になっているが、昭和の二重写しのようなエグイものはなく、オーブなどを中心とした地味な心霊写真が多い。当然、デジタル時代となった今では容易に偽造が可能である。
もっとも、フォトショなどで加工した日時は割り出すことが可能なので、ある程度のインチキは見破ることが可能である。それらも含めてどのように見破るのかは、放送内容を楽しみにして欲しい。
当然、フェイクではなく本物と思える心霊写真や心霊動画も存在する。加工した形跡もないのに、何故か不可解なものが写っていたり、どう考えても説明がつかない心霊ビジュアルはリアルに存在するのだ。しかし、その大部分は地味であり。テレビで流すような派手な動画や写真ではない。いわゆる派手な心霊動画の大部分は、映像で食べたいがまだ目が出ない若手監督が撮影し、あまり有名ではない役者が演じている。つまり、ショートホラーなのだ。考えてみれば、見切れで写り込む幽霊や、カメラ目線の幽霊などはありえない。彼らあくまで演出された役者さんであり、演技なのだ。
当然である。テレビで流れる心霊動画に写りこんでいる幽霊は、生前はごく普通の一般人だ。タレントさんや芸人さんではない。パンチの効いた出方をする霊はフェイク動画以外に存在しないのだ。
(監修:山口敏太郎)