一昨日の14日は地球と月の距離が近くなり、月が普段より大きく見えるというスーパームーンだった。
古来より人々は、日によって姿を変える月に神秘性を見いだしてきた。また、潮の満ち引きなど月が地球に及ぼす影響も大きい。そのため、スーパームーンや満月、新月の時には何かが起きたり、月からパワーを得ることが出来るなど、スピリチュアル系やオカルト系の話題が出てきたりもする。
昔から月には魔力があると言われ、満月や新月の日は人の精神や心理も普段とは変わってしまうと言われていた。英語では狂気に犯された人やその様子をルナティックと言うが、これも月が人間の心に何らかの影響を与えているのではないかと考えられた事からきている。
その昔からの俗説を裏付けるような学説が1970年代に発表されていた。
1950年代から1970年代にかけてフロリダ州デイド郡で発生した殺人事件に関するデータを集め、月齢との関係を調べてみたところ、満月の際に殺人事件がピークに達するという結果が出た。また、同期のオハイオ州チュヤホガ郡の犯罪データでも、満月から3日のずれで殺人事件が多く発生している事が判明したのである。
だが、この調査に関して後年に同地域の犯罪発生データを収集し追試を行ったところ、殺人事件を含む凶悪犯罪と月齢に相関はみられないと言う結果が出てしまったのである。つまり、はじめの調査は単なる偶然でしかなかったのだ。
昔か伝わっているもっともらしい説も、検証してみると科学的な裏付けはできない俗説にすぎないものであったりするのだ。
※参考文献:「月の魔力」アーノルド・L・リーバー
(ミステリーニュースステーション・アトラス編集部)