研ナオコは、歌手、タレント、女優として活躍する女性である。志村けんとの夫婦コントをはじめ、バラエティ番組『カックラキン大放送!!』でのお婆ちゃん役、近年ではアマビエやエイリアンのコスプレなどを披露するなどして、多くの人々を笑わせるコメディエンヌとしての活躍も広く知られている。
50年来の交友関係があった志村けんとは、彼がまだザ・ドリフターズの付き人だった時代の楽屋で両者は初めて対面したのだという。本番前の楽屋に研ナオコがたびたび遊びに行っており、その際の志村とのやりとりがあまりにも面白かったため、リーダーであるいかりや長介に「彼をメンバーに入れてよ」とまで進めていたほどだったという。
『ドリフ大爆笑』や『バカ殿様』において志村とのやりとりの中で展開される、独特の鼻声とイントネーションで放たれる「生卵」や「赤マムシ」というセリフは、当時の視聴者に多大なインパクトを与えて伝説化されている。彼女によれば、どのような面白い返しをしようかと考えた末のアドリブによるものだという。
このあたりに、志村けんの「七つの子」や「東村山音頭」が流行らせようと思って始めたわけでもないのに大流行したという逸話との類似性が見られ、両者が間違いなく共通する感性とセンスを有していたことが窺い知れる。
そんな研ナオコにまつわる逸話も飛びぬけたものが多い。2007年、彼女は写真週刊誌「フライデー」にてとあるホストとデートをしている写真がスクープされて話題となったが、その翌年に今度は別のホストのファンとなってストーカー行為を働いていたことが「週刊新潮」によって報じられ、被害届まで出されていたことが判明した。
さて、一方でかつては彼女自身がストーカー被害に遭ったことがあるという。
そのとある女性ファンは、彼女がどこへ行ってもついてくるような人物であり、研ナオコに近付くために幾度も転職を繰り返し、挙句彼女の兄の職場を探し当ててそこで働くなど、すさまじい執念であったという。
しかし、研ナオコは通報するどころか、なんとその人物を家に住み込ませ、マネージャーとして雇うことにした。理由は、外に出しては危ないので監視してれば安心という意図もあったようだが、そこまでついてくるような人であれば自分のことを何でも知っており、また今後どうすれば良いのかを考えてくれるのではないかとの思惑もあったようだ。実際、その人物はとても仕事ができたという。
70年代から80年代にかけては、『あばよ』『かもめはかもめ』そしてサザンオールスターズの『夏をあきらめて』のカバーなど数々のヒット曲を世に送り出した。艶のある歌声が人気を博し、THE ALFEEが彼女のバックバンドを務めていた時期もあり、中島みゆきがいくつもの楽曲を提供していた。
当時の彼女のエピソードとしてたびたび語られるのが、「黒い涙」と呼ばれるものだ。彼女の楽曲の中でも”泣き歌”の定番と呼ばれる『かもめはかもめ』は、もともとアルバムの中にあった一曲に過ぎなかったが、どうしてもアルバムの中に埋もれさせておくのが勿体ないと思ったことでシングル化し、そこから大ヒットすることとなった伝説の曲だ。
ボヤキ漫才で知られた夫婦漫才師『人生幸朗・生恵幸子』が、「かもめはかもめ、当たり前やないか」とネタにもしていた。
その曲を彼女が歌唱している最中に涙を流し始めたのだが、なんとその涙の色が黒かったのだ。彼女によると、この「黒い涙」はある音楽賞レースでの出来事であり、あまりの人気に壮大なアレンジまで加えられたことに驚くあまり泣いてしまい、化粧のマスカラがそのまま落ちて流れてしまった。
当時「何があっても泣くな」と会社から注意されていた矢先の珍エピソードであるが、今となっては彼女を語る上での伝説の一つであることに違いはない。
【参考記事・文献】
研ナオコは昔ホストにストーカー行為をしていた!
https://koimousagi.com/46073.html
研ナオコ ストーカーを次々とマネージャーにしていた?初告白のエピソードが”全て強烈過ぎ”と話題
https://coconutsjapan.com/entertainment/kennaoko-maneger/14270/
研ナオコの生卵・赤マムシの意味とは。志村けんとの深い交友関係
https://asuneta.com/archives/90555
研ナオコ、令和でも大人気の中島みゆき提供曲「あばよ」のヒットを語る 事務所社長には「レコード大賞はいらないと即答しました」
https://www.dailyshincho.jp/article/2024/01300800/?all=1&page=2#goog_rewarded
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