オランダのライデン国立民族学博物館に「作者不明」で保管されていた6枚の絵の作者が江戸時代の浮世絵師、葛飾北斎のものであったことがわかり話題をなっている。
この絵は北斎が西洋の技法を学ぼうと思い、手がけた作品で北斎の落款は押さずにドイツ人医師、シーボルトへと譲渡されたものだという。
この事件をきっかけにTwitterでは「作者不明」というキーワードがトレンド入りするなど異様に盛り上がったが、一部では「作者不明」という単語に恐怖を感じる人も多かったという。
怖がる理由はよくわからないが「『作者不明』という言葉が怖い」「文字を見るだけで動けなくなる」という人も多く、このような症状をきたす人を「不明恐怖症」と呼ぶことがあるらしい。
「作者不明」を怖いと感じる人の話では「どこの誰が作ったものわからないものが怖い」「作品意図が読めないのがとにかく怖い」とどれも共通しているのは「作者の顔が見えない」というのが恐怖を感じる原因のようだ。
実際、日本には「作者不明」の作品が多数残されており「かごめかごめ」は作詞・作曲者ともに不明で誰が作り出した歌なのかはわかっていないほか、「浦島太郎」も元になる話は「御伽草子」に収録されている。ところが、『むかしむかし浦島は~♪』で始まる歌については、いつ誰が歌い始めたのか不明だという。
これらの楽曲は幼年時に歌うことが多い曲であり、「不明恐怖症」の人の話では「音楽の教科書に人名に混じって『不明』の文字があるのがとにかく怖かった」と語り、多くは幼年時に発症するという。
(文:横須賀小禄 ミステリーニュースステーションATLAS編集部)
葛飾北斎