「すねスネーク」はいつもすねているヘビの妖怪で、とりつかれると常にイジイジとすねてしまう能力を持つ妖怪である。
色違いの妖怪に「しきるん蛇」「まむし行司」がいる。すねスネークとは違い、この2体は尻尾の軍配を使って戦いをしきる能力を持つ。
軍配とは軍配団扇(ぐんばいうちわ)ともいい、軍の大将が方角を確認し軍陣を指揮するために使う道具である。
現在では相撲の行司が勝敗を明示する道具として使われることが多い。勝負の行方を仕切る重要なポジションを担っているが、性格はなぜかずぼら。誤審はないようだがちょっと不安ではある。
さて、蛇が相撲を仕切る様子であるが実は古い浮世絵にその姿が描かれている。
歌川貞秀の「源頼光館土蜘蛛妖怪図」という画には筋肉ムキムキのかたつむりと腹の出たカエルが相撲をとりヘビが行司役を務めるという一戦が描かれている。まさに梅雨時の歴史的戦いといった感じだが、おそらくこの勝負は「引き分け」である。
これはヘビはカエルを一飲みするが、ヘビは毒が効かないナメクジ(かたつむり)に弱い、一方のナメクジはカエルに食べられてしまうというグー・チョキ・パーの「じゃんけん」の構図であるのだ。
この構図は「三すくみ」といい、古くから日本人に愛されていた。
ヘビはすねスネーク、カエルにはご存知本家軍大将の大ガマ、カタツムリは妖怪ウォッチ3から登場したマイマイペースがいる。ゲームではこの3匹が集まったところで特に意味はないが、気になった人はトリオを組ませてみるのもありかも。
(穂積昭雪 ミステリーニュースステーションATLAS編集部)