以前、アトラスでは「吸血鬼」のものと見られる骨が発見されたと報告した。
その骨は伝説に伝わる吸血鬼を退治する方法に基づき、心臓の部分に杭が打たれた痕があり、口の中に大きな石が入れられていた。
さて、海外のモンスターで有名なものといえば、吸血鬼意外にも魔女やミイラ、狼男などがいる。
2014年に、ブルガリアでこの「狼男」のものとされる頭蓋骨が発見されて話題になった。
この頭蓋骨は歴史研究家の男性がバルカン戦争について調査を行っていた際、村の農民に奇妙な物が見つかったと言われて出されたものだった。
農民らが畑を開墾していた際、土中から鎖で封印された木箱が出てきた。奇妙に思った農民達が箱を開けてみると、牙の発達した人とも獣とも思えない奇妙な生物の頭蓋骨が入っていたのである。
箱の中にあった記述と、奇妙な形状から農民達は伝説の狼男のものではないかと考え、正確な正体を知るために研究家の男性に見せたという。
果たして、この頭蓋骨の正体は?
ブルガリアの野生動物局担当者によれば、パジェット病の狼の頭蓋骨である可能性がある。
この病気にかかった個体は頭蓋骨が肥大化し、人間のような形状になってしまうとされ、一種の奇形となった狼の姿を見た当時の人が、狼男ではないかと恐れて封印を施したものではないかという仮説が立てられた。
また、ヒヒ科の頭蓋骨にも似ているため、単純にヒヒを知らない人が人の頭蓋骨とよく似た形状と、発達した牙から狼男を連想したのではないかという説も出てきている。
正体が何であろうと、この頭蓋骨がブルガリアで昔から恐れられていた狼男の伝説を今に伝える貴重な物である点は変わらないようだ。
(田中尚 ミステリーニュースステーションATLAS編集部)