妖怪

【実話 ちょっと怖い話】 人面蜘蛛である





1994年の春、大阪府吹田市にあった真言宗の某お寺の居間での出来事です。

私と相方、住職、住職の奥さんの4人で遅めの昼食を取っていた時です。

空気が変わる独特の気配を感じて、皆が一斉に畳の上を凝視すると、ベランダあたりから部屋を斜めに突っ切るように体長40センチ弱の半透明の人の顔をくっつけた蜘蛛がカサカサと歩いて行くではありませんか。

お尻の色は黒とくすんだ黄色の縞模様で、タランチュラのような太めの足は6本か8本で、かなりの剛毛。

鬼瓦のようなギョロ目に団子っ鼻。「達磨大師」の絵のような、いかつい顔が前方正面ではなく、天井を見据えるように付いていて、味海苔を貼り付けたような黒くゴワゴワした硬そうな髪と髭だらけ。




そいつは我々のことを気にもとめず、そのままカサカサと目の前を通り過ぎ、吸い込まれるように壁に消えていきました。

「見た!?今の」「鬼瓦みたいな顔の蜘蛛!」

・・・住職婦人には『風の塊』のように見え、住職は気配だけを感じたとか。

ヤツを目撃したのは これ一度きりです。

(あーりん ミステリーニュースステーション・アトラス編集部)