事件

臓器提供を受けたら殺人鬼になった!?細胞記憶という奇矯

細胞記憶という言葉をご存知だろうか。

脳だけではなく、個々の細胞もそれぞれ過去の記憶や嗜好、癖を記憶しているのではないかという説があり、その細胞が持つ記憶を細胞記憶という。例えば、内臓移植を行ったときドナーの記憶がレシピエントに受け継がれる現象などがそれだ。

小説やアニメの設定として使われることも多く、シティハンターのパラレルワールドを描いた「エンジェルハート」ではヒロインが心臓移植を受けたことによって元の持ち主の感情を受け継いでいる。

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しかし現実にも細胞記憶を肯定できる事例が存在する。著名な事例として、バレエダンサーのクレア・シルヴィアの事例を紹介しよう。彼女はバレエダンサーという職業柄、ファーストフードが大嫌いだったにも関わらず、心臓移植後ケンタッキーフライドチキンを好むようになった。また嫌いだったピーマンが好物になり、歩き方はまるで男の様になった。

さらに彼女は夢の中に出てきた少年のファーストネームをなぜか知っており、その夢の中の少年がドナーだと確信した。




そして、後に彼女はドナーの家族と連絡を取ることに成功、対面が実現。彼女が知っていた少年のファーストネームはドナーの名前と一致。彼はピーマンとチキンナゲットを好んでいたという。

また昨年末、現実に細胞記憶が引き起こしたとしか考えられない事件が起こった。

ジョージア州アトランタで、マイケル・ロドリゲスという男性が女性23人・男性4人、計27人を殺害した罪で逮捕。

彼は2013年12月から殺人を始め、1ヶ月に1人以上のペースで殺人を行っていたという。ここまで聞いただけではただのシリアルキラーが行った事件だと思うだろう。しかし、警察は捜査を進めていくうちに衝撃の事実を発見したのだ。

ロドリゲスの先妻によると、ロドリゲスが殺人を行うようになったのは心臓移植手術直後からだという。




そこで警察は本来機密事項である臓器提供者について調査を始めたところ、ロドリゲスに提供された臓器は2013年に死刑になったデレック・エメリーという連続殺人犯のものだったことがわかった。

心臓移植後、ロドリゲスには「人を殺せ」という声が絶えず聞こえていたという。

この声は、心臓から聞こえたものではないのだろうか。

(鵙屋まみ 山口敏太郎タートルカンパニー ミステリーニュースステーション・アトラス編集部)

画像©Gerd Altmann PIXABAY