大阪府豊中市にある服部天神宮に思わぬ参拝ブームが訪れている。
俗に「服部天満宮」とも呼ばれる同神社に、全国から多くのフィギュアスケートファンが羽生結弦選手の金メダル再ゲットに関して、お礼参りに集結しつつあるのだ。一時期、羽生選手はアンチ羽生によるバッシングにも見舞われたが、そんなバッシングや怪我をはねのけた金メダルは多くの人々に感動を与えた。
もともとは、藤原時平の暴力により菅原道真が大宰府に左遷される際に、持病の脚気が悪化し一歩も動けなくなった。しかし、地元の医薬の神の祠に参拝したところ、たちまち病状が癒えたという伝説が同地にはあった。
菅原道真の死後、その怨霊伝説がささやかれ、天神信仰が庶民の間で流行した時期に同神社は建立されたという。
ちなみに「服部」という地名は機織りの技術を日本に伝えた渡来人の秦氏がこの地に多く住んでいたことに由来する。秦氏=機を織る人々、機織部(はたおりべ)がなまって服部(はっとり)という地名が生まれた化わけだ。
今までも、「足の神様」としてサッカー選手や陸上選手が参拝しており、盗塁王で鳴らした阪急ブレーブスの福本豊選手も同神社に参拝していた。
同神社の「足踏み石」祈願台座の拝み方は、靴を脱いで本殿に向かって「二礼二拍手一礼」の作法で拝礼する。
羽生選手のオリンピックの演技の前は「足病平癒」に訪れる羽生ファンが殺到し、金メダルを取った今、お礼を申し上げるお礼参りの羽生ファンが続々と集まってきているのだ。
本来、同神社は道真公にちなむ毎月25日や、新年の「豊中えびす」の際に大勢の人が殺到するパワースポットであった。ところが今、東京都内にある安倍晴明ゆかりの熊野神社と並んで新たなご利益スポットとして注目が集まっている。
羽生選手の勝利には、多くのファンの気持ちがこもった「くまのプーさん」のパワーや多くの神仏の力が働いたのかもしれない。
(山口敏太郎 ミステリーニュースステーションATLAS編集部)
画像『AERA (アエラ) 2018年 2/19 増大号【表紙:羽生結弦】[雑誌]』