伊集院ファンの間では当然のことなのだが、タレントの伊集院光は、フリーマーケットで古い物を見つけて、元々の所有者に返却するのを趣味としている。
かつて名前が書かれたカメラを見つけ、持ち主を探し当て返却したところ、学生時代に無くしたカメラであり、「親に言われたとおり。名前を書いてて良かった」とたいそう感激された。
こんな不思議こともあった。靖国神社のフリーマーケットにおいて、戦地から日本国内に向けておくられたものの、配達されない軍事郵便を見つけた。
どうやら、出征した兵隊さんから内地の奥さんに出されたものであり、その宛先は北陸であった。
北陸新幹線も出来たことだし、早速その住所まで行ってみた。旧住所であったものの、どうにかその番地を割り出し、苗字を頼りに子孫の家までたどりついた。
手紙を書いた本人である亡くなったおじいちゃんの仏壇に手を合わしたあと、おじいちゃんが集めていた骨董品を見せてもらった。すると、中に伊集院そっくりの顔をした掛け軸を見つけた。
このそっくりな掛け軸が伊集院を北陸まで招き寄せたのだろうか。品物には使った人の念や気持ちがこもる。これは事実である。
山口敏太郎事務所