キューバに存在する呪術師たちのアフリカ系秘密結社「アバクア」





秘密結社といえば「フリーメイソン」「薔薇十字団」、「クラブ・オブ・ジ・アイランド」など、欧米の組織のイメージが強い。だが、他の地域にも秘密結社は存在しているのだ。

キューバに存在するアフリカ系秘密結社が「アバクア」だ。

「アバクア」はキューバに送られた西アフリカ系黒人のうち、ナイジェリアやカメルーンなどに分布しているカラバリ族の土着信仰「ニャニゴ」が元になっている。

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一番の特徴が男性のみ入信可能であり、女人禁制であるということだ。男性であれば誰でも入ることができるが、厳正な規則があり入信の儀式を行って以降は誰にも組織内部のことや儀式の詳細な内容は一切口外してはならないとされている。

特に寺院に相当する「ファンベ」という室内には、信者以外が近寄ったり覗くことすら許されない。儀式に使う道具として呪符などが存在するが、どのように用いられるのかも明らかにされてはいない。

信仰対象は悪霊であり、イレメという悪霊の扮装をした人物が音楽とともに踊り、敵や裏切り者を非難しながら信者を浄化していく。一部の儀式はこのように公開されており、近年では民俗学調査も行われて少しずつその実態が明らかになってきているが、それでも不明な点は多い。

呪術と結社の要素が結びついた、非常に特徴的な秘密結社であるといえよう。

(加藤史規 ミステリーニュースステーションATLAS編集部)

画像©PIXABAY

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