死神は実在する!?ある地区で原因不明の死が連鎖、次は誰…

 不気味な事だが、死というものは、連鎖することがある。

 ある個人の死から、近しい人々に死が広がることも多い。特に老夫婦の場合、一人が死ぬと後を追うように残り一人が亡くなる事が多いし、老人同士の友人の場合、友引きという古き迷信が的中することがある。これは俗に、カレンダー上で友引という日に葬式を挙げると、死者が生きている者のうちから親しい者を連れて行くといわれているものである。自分の周りを見渡してもらいたい。このような二人、三人程度の死の連鎖は、よくある出来事はないだろうか。

 だが、それが7人となると異常な人数であり、単なる偶然とは片付けられない。この死の連鎖というと、大阪での若者の連続変死事件が想起される。1992年の4月から5月にかけて、まったく死ぬべき理由や動機のない若者が、一週間前後の間隔で次々と死亡してしまったのだ。




 勿論、最近流行の示し合わせての集団自殺ではない。今から20年ほど前、大阪府泉南郡熊取町で悲劇は始まった。まず、最初の犠牲者は、4月25日に発生している。板金工をやっていた17歳の少年がシンナーを吸引中に、前後不覚になり池に転落し、そのまま水死してしまった。ここまでなら、単発の悲劇であったのだが、5月29日に、再び無職の17歳の少年がシンナー吸引中に死亡してしまう。この無職の少年は、一人目の犠牲者である板金工の少年と同じ中学の出身であった。だが、示し合わせて死を選ぶほどの仲でもなかった。 

 更に悲劇は続く。6月4日には、二人目の犠牲者である17歳の無職少年のバイク仲間であった17歳の少年が、タマネギ小屋にて首吊り自殺を遂げてしまう。更に、6月10日には、三人目の犠牲者とも親交のあったバイク仲間である18歳の土木作業員が、自宅の納屋にて首吊り自殺を遂げてしまう。また、6月17日には、三人目、四人目の自殺少年と面識のあったバイク仲間で旅館従業員である18歳の少年も作業小屋にて、首吊り自殺を起こしてしまった。

 この時点で一つの町で5人もの少年が、二ヶ月間に死を選んでいるのだ。町では様々な噂が囁かれた。当時、囁かれた情報で興味深いのは、5人目の少年が自分の仲間たちの死を目の当たりにして、次は自分だと怯えていたことと、不審な車に跡をつけられていると周囲に漏らしていた点である。連続殺人犯は町の中にいるのではないかと、地元住民たちは怯えたが、連続変死事件は止まらなかった。 

 六人目の犠牲者は成人であった。6月25日のことである。地方公務員であった22歳の男性が、貝塚市扱いの飛び地にある山林の中にて首吊り自殺してしまった。そして、7人目の犠牲者が出てしまう。7月2日に女子体育大生が、胸に果物ナイフが刺さった状態で発見され、そのまま失血死するという悲劇が起こったのだ。素人目にも、明らかな他殺であると思われたが、何故か警察は自殺と断定しまった。気になるのは、この女性も不審な車に跡をつけられていると周囲に漏らしていた点である。

 この忘れた頃に発生する、七人という数字で表現される死の連鎖につい、古来より“七人ミサキ”という考え方がある。これは、妖怪の一種なのだが、強烈な祟り神で、生きている者の命を七人とらないと納まらないといわれている激しい魔物である。地方によって「七人坊主」「七人同行」「七人童子」「七人御先」などと呼ばれているが、いずれもあらぶる魔物である。

 他にも今も継続している呪いと言えば、「八丈島の七人坊主」である。呪いの連鎖は江戸期にさかのぼる。昔、上方=大阪から出航した船が、激しい嵐に遭い難破してしまった。その船に乗り合わせた七人の坊主は漂流し、八丈島の藍ヶ江浜に漂着する。しかし、住民の坊主たちへの態度は冷酷で、坊主たちに食料を与えず、全員絶命してしまった。その後、七人の坊主の怨霊が妖怪「七人坊主」となり長く祟る事となった。




 昭和27年に、七人坊主が復活したと思える事件が起こる。七人の坊主たちが餓死した場所で、林道工事が行われていた。そのうち、島外の作業員が七人坊主の呪いの話をしだした。島の者が止めてもやめず、終いには「そんなものは伝説にすぎない」と言い始めた。そのうち、はやし言葉まで言い始めたそうである。「やれ坊さん-♪ それ坊さん-♪」死者を冒涜するはやし言葉であった。すると突如土砂崩れが発生、膨大な土砂に現場が飲み込まれてしまった。そしてなんと、8人が生き埋めとなり、うち7人が死亡したのだ。

 七人坊主の因縁は、これで終わらない。95年8月にも、七人坊主を彷彿させる事件が起こった。島の火葬場にある消却炉の中から、身元不明の古い7体の遺骨が発見されたのだ。しかも、職員が施錠し密室状態であった火葬場への骨の放置である。また、島ではあらされた墓もなく、骨がどこから来たものか、まったく不明であった。死に神の仕業なのか、魔物「七人ミサキ」の仕業なのか。

 その背景は不明だが、この世の中には間違いなく、死の連鎖は存在する。不気味な連続する変死事件、それは身近に存在する恐怖なのだ。

(山口敏太郎 ミステリーニュースステーション・アトラス編集部)

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