未確認生物の中には、時折都市伝説に登場するような、奇妙な怪人型UMAも存在する。

アメリカはテキサス州エル・パソの街にて、奇妙な怪人が目撃されて話題となっている。その怪人は夜間に姿を現し、家の屋上から屋上へジャンプしながら渡っていくのだという。

姿は普通の人間と変わらないが、全身にフィットしたスーツ状のものを着用しており、ジェットパックなどの装置は確認できず、どんな原理で飛び回っているのかは解らないという。この謎の怪人は今年の初め頃から目撃証言が増えてきており、現地の人々は非常に恐れているようだ。




この怪人UMAによく似た存在が、19世紀のイギリスで報告されている。「スプリングヒールジャック」、またの名を「バネ足ジャック」というもので、非常に背が高く、やせた体にとがった耳、火の玉のような目玉を持っていた。黒いマントを身に着け、警官のようなヘルメット、タイトフィットのズボンで身体を覆っていた。そして、口から炎を吐いたとも言われている。

バネ足ジャック1

鋭い金属の爪を指先に装着しており、夜間に一人歩きする女性に近づくとその鋭い爪で衣服を引き裂いていたという。逃げ足は早く、異常な跳躍力を持って壁や家屋を飛び越えて姿を隠してしまうのだが、そのブーツのかかとに特殊なスプリングが仕込まれていると見られている。

1837年10月に発生した「メアリー・スティーブンス事件」では、メアリーという名前の女の子がラベンダーの丘を歩いていたところ、ジャックに襲われ、着衣を切り裂かれた。この翌日にもジャックは出現。メアリーの自宅付近で女性の衣服を切り裂き、せせら笑いを浮かべ、9フィート(約2・7メートル)もの高い壁を飛び越えて姿を消している。

1838年には各地で自警団グループが結成されたが、その後も何度かジャックは姿を現し、1845年に大勢の人々が見守る中、橋から売春婦を投げ捨てて下水道で溺死させるという非道な行為に及んだのち、姿を消した。なお、60年近く経ってから、一度だけ1904年にリバプールの街に再び姿を現している。




このジャックの正体については、1859年に亡くなった乱暴者の貴族ヘンリー・ウォーターフォード侯爵ではないかという説がある。ほかには、ドイツの空挺部隊との関連を疑う声もある。というのは、第二次世界大戦中、彼らが履いていたブーツのかかとの部分には、特殊なスプリングが入っており、それがジャックの跳躍力と関係あるのではないかと推測されているのだ。

しかし、今回テキサスで目撃された怪人には、そのような器具が一切見あたらないという。

21世紀になってバネ足ジャックが復活したのか?それとも新たなフライング・ヒューマノイドなのか? 真実が明らかになる日は来るのだろうか。

(田中尚 ミステリーニュースステーションATLAS編集部)

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