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【怪獣都市伝説】バルタン星人 ウルトラマンに同郷の仲間を全滅させられた?

ウルトラシリーズの中でもトップクラスの知名度を誇る宇宙人、バルタン星人。『ウルトラマン』第2話「侵略者を撃て」で初登場、「フォッフォッフォッ」という独特の鳴き声を放ち、セミのような顔、ハサミ状の両手を持つその独特の姿も印象的だ。

第2話の監督・脚本を担当した飯島敏宏は、バルタン星人の生みの親だと言われている。

バルタン星人に強い愛着を持っており、「僕の撮ったウルトラマンにはずっとバルタン星人が登場する」と言い、「バルタン星人をもう悪役にしたくない」というほどの愛でようだという。

バルタン星人は、顔がセミ、爪はアメリカザリガニがモチーフであったとのこと。一説には、セミのような頭部は、『ウルトラQ』に登場するセミ人間のもの(また体はケムール人のもの)を改造したものと言われており、飯島がの証言として公式情報という形で発信もされたことがある。

ただし、これについては造形担当の佐藤保が「セミ人間を改造した記憶はない」とインタビューにて答えていた媒体もあり、真偽のほどは定かではない。ただ、鳴き声の「フォッフォッフォッ」に関しては、ホラー映画『マタンゴ』に登場するマタンゴの鳴き声を流用していることは確からしい。

因みに、バルタン星人が「フォッフォッフォッ」と笑う時に腕を上げるアクションをするが、これは腕を下げたままでいるとハサミの重みで腕が疲れてしまうため、腕を上げて楽な状態にさせることから生まれたアクションだという。

別名「宇宙忍者」と称されるバルタン星人が、忍者というイメージとは裏腹に激しいアクションを見せられなかった最大の理由は、どうやらこの異様に重たいハサミの影響であったようだ。

ところで、初代バルタン星人が登場した際の結末については、少々議論になっているらしい。

「侵略者を撃て」でのバルタン星人は、母星を失ったバルタン星人たちが地球に移住しようとやってきたことに始まる。もともと人類排除の意図は無かったが、地球がバルタン星人の生存に適していると見ると実効支配に着手するようになり、結果としてウルトラマンのスペシウム光線でやられることとなった。

この時、バルタン星人は同郷のおよそ20億人を超える人々と共に円盤でやってきていたのだが、それらの円盤もスペシウム光線を浴びせられたことで爆発音とともに消えてしまった。このことから、ウルトラマンは何の罪もない20億余りのバルタン星人たちを大虐殺に至らしめたのではないかと言われている。

だが、作中では明確に円盤を破壊する描写は無く、爆発音はワープ音であり、20億もの人々は皆生きていて別の惑星に移住している、というのが真相であるとのこと。このことは、飯島本人も著作などで弁明している。

とはいえ、コミカライズにおいて、「バルタン星人は種族全体で意識を共有」しており、一人を敵に回すと種族全体が敵に回るので殲滅せざるを得ないという解釈がなされているなど、明らかに全滅させたことを念頭に置いた上でフォローしたような痕跡もいくつか残っている。

そもそも、ウルトラマン第16話「科特隊宇宙へ」に登場した2代目バルタン星人により、20億余りの同胞をほとんどを失い、わずかな生き残りが別の惑星へ移住したというような説明がなされたことや、ハヤタ(ウルトラマン)が「確かに全滅したはず」と発言してしまっていることから、当初はやはり滅ぼしたという認識だったことは確かだろう。

それでは流石にまずいと判断し、バルタン星人の20億の民は皆生き残っているという後付けの解釈がなされ、バルタン星人が悲劇の異星人ではないと共に、ウルトラマンも虐殺者ではないというフォローがなされた、ということなのかもしれない。

【参考記事・文献】
https://seesaawiki.jp/w/ebatan/d/%A5%D0%A5%EB%A5%BF%A5%F3%C0%B1%BF%CD
https://dic.pixiv.net/a/%E3%83%90%E3%83%AB%E3%82%BF%E3%83%B3%E6%98%9F%E4%BA%BA
https://x.gd/4XWKk
https://w.atwiki.jp/aniwotawiki/pages/13265.html
https://dic.pixiv.net/a/%E7%A7%91%E7%89%B9%E9%9A%8A%E5%AE%87%E5%AE%99%E3%81%B8

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【文 イトフゆ】

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