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いつの間にか友達に加わっている謎の女性「セレーネ・デルガド・ロペス」

近年では、日本国内でも海外で話題になった都市伝説がさほど間をおかず流行する事がよくある。その背景には翻訳ツールの進歩やSNS、海外のフリーゲーム等を通して情報が入ってきやすくなった事等があるかもしれない。

2020年頃から海外で話題になっている都市伝説の一つに「セレーネ・デルガド・ロペス(Selene Delgado Lopez)」というものがある。

彼女の名前で検索すると、笑みを浮かべる女性の顔写真がヒットする。しかし写真の画質はかなり粗く、女性の笑顔も不気味なものになってしまっている。

「セレーネ・デルガド・ロペス(Selene Delgado Lopez)」は海外のFacebookで話題になった人物だ。ある日いきなりFacebookのアカウントに「あなたはセレーネ・デルガド・ロペスと友達ですか?」「調べてみてください。警告。ブロックするのが唯一の選択肢だ」という不穏なメッセージが届くというもの。

そこで友達欄を確認してみると確かにこの女性のアカウントが紛れ込んでいる事が解る。しかし、そもそもこのアカウントを友達に加えた覚えはないし、友達欄から外す事もできない・・・というものだ。

果たしてこの「いつの間にか友達に加わっている謎の女性」セレーネ・デルガド・ロペス(Selene Delgado Lopez)の正体は何なのだろうか・・・

結論から先に言うと、この女性のアカウントは噂が広まった時点では実在しないアカウントだった。Facebookで繋がる事のできる友達の人数は5000人が上限。もし本当にこのアカウントが存在していたとしていたら、5000人の上限などあっという間に到達してしまうため、システム的に不可能(なお、この都市伝説が話題になった前後に“Selene Delgado Lopez”名義で作られたネタアカウントが多数存在する模様)。

だが、名前と顔写真が存在する以上、モデルになった女性はいるはずだ。

調べてみたところ、この女性は今から30年前に行方不明になったメキシコ人女性で、メキシコのテレビ局の放送する「行方不明者」コーナーで紹介された。この時の動画はネット上にも公開されたが、すぐに削除されてしまった。

しかし、放送やネットの動画を見た人たちの印象に強く残る「不気味な画像」だったため、「彼女は何者か?」とネット上で話題になった。しかし、実はこの一連の流れそのものがテレビ局の仕掛けたマーケティング・キャンペーンの一環であった。

視聴者達を怖がらせるために意図して作られた架空の「行方不明者捜索コーナー」だったようで、まんまと多くの人々が引っかかったのだ。

ところがこの事件から年月が経ち、現代になって「勝手に友達を増やす謎の女性アカウント」として人々の話題に上るようになってしまった。発端は恐らく、以前放送された動画を見た人が流した噂なのだろうが、人々の間で広まるうちに様々な特徴が付け加えられ、「いつの間にかFacebookの友達欄に入り込み、解除できないストーカーのようなアカウント」へと変貌していったのだ。

と、ここまでならばただのデマで終わる話なのだが、海外の専門家からは警鐘が鳴らされている。

「セレーネ・デルガド・ロペスのアカウントに気をつけて」というメッセージ自体は悪意がないもののように思えるが、拡散されるスピードが非常に早いため悪用される可能性も高いという。

インターネット用のセキュリティ関連ソフトウェア開発企業であるESETのJake Moore氏は、昨年世界的に流行した「MOMOチャレンジ」を例にあげ、「このようなデマメッセージは、最初は一見無害に見えますが、拡散するスピードが速いため、どこかで誤報が追加されると制御不能になる可能性があります。ログイン情報を奪ったり、マルウェアをダウンロードさせたりするリンクやプログラムが仕込まれる事もあります」と述べている。

ネットの噂や都市伝説は興味深いものが多いが、その拡散には気をつける必要があるようだ。

(山口敏太郎タートルカンパニー ミステリーニュースステーションATLAS編集部)

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