俳優・声優・ナレーターとして活躍していた下條アトムさんが、2月13日に亡くなったことが所属事務所より発表された。78歳だった。
テレビ番組『世界ウルルン滞在記』のナレーションで広く知られ、彼のモノマネではこの番組でのお馴染みフレーズ「~に出逢った」のフレーズが欠かせないものともなっている。また、「エディ・マーフィと地声が似ている」という理由から吹き替えに起用されるようになって以降、長らく「エディ・マーフィの吹き替えでお馴染みの下條アトム」とも評されている。
彼の特徴的なその「アトム」という名前は本名である。まだ終戦間もない頃、日本でも名前・名字の順に呼ばれても良いように、そしてAから始まるような名前として父親が命名したという。当時でもきわめて珍しいカタカナ表記のこの名前は、漫画『鉄腕アトム』が世に出るより前に名付けられたものであり、これよって作者である漫画家・手塚治虫さんが取材に訪れたこともあったという。
しかも、『鉄腕アトム』ではアトムの妹としてウランちゃんが登場するが、驚くべきことに下條アトムさんの同級生にも「ウラン」という名前の子がいたのだという。そのため、アトムとウランのキャラクターを知った際には、自分たちをモチーフにしたのではないかと思ったこともあったそうだ。
(ミステリーニュースステーションATLAS編集部)