クロアチアには、通称「死の穴」と呼ばれている遺跡が存在する。
2007年、同国ポトチャニの丘陵地帯にある村にて、ある家が車庫を造ろうと基礎工事を行ったところ、土中から大量の人骨が出てきた。たまたま近くでザグレブ大学の考古学者等が調査を行っていたため、発見されたその日のうちにこちらの人骨についても調査されることとなった。
その結果、穴は幅約2メートル、深さ約1メートルあり人骨や一緒に埋まっていた土器などの年代測定から、紀元前4200年頃のものだと判明。全部で38人分の遺骨があり、約半数は2歳から17歳までの子供で、残りの20人は18歳から50歳までの大人だったという。
また、男性が21体、女性が20体だった。そして分析の結果、ほとんどの人々が背後から頭部を殴られて殺害されていた事が判明したという。
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また、反撃した形跡がほとんど見られないことから、奇襲を受けたか、何らかの方法で拘束されるなどして「反撃できない」状況にされていた可能性があるという。これらの結果を踏まえて、研究者たちはこの穴には「計画的な虐殺」の被害者たちが眠っていたと結論づけた。
しかし、なぜ彼らは殺されてしまったのか。遺骨からは伝染病の痕跡もなく、男女比の割合が同じで子供が多かったことなどをふまえ、研究者らは食料や水などその地の資源を巡る争いの結果、負けたグループが殺害されたのではないかという仮説を立てている。
今回の研究に携わったマリオ・ノバック教授は「人間の性質や心理は古代からあまり変わっていないと思います。このような古代の大虐殺を研究することで、人々の心理を垣間見ることができ、今日の同様の出来事を防ぐことができるかもしれません」と語っている。
Ancient 'death pit' saw Europeans slay dozens from own community in 'random massacre' https://t.co/sFNkp9WvMx pic.twitter.com/bLrZMDXnyo
— Daily Star (@dailystar) March 12, 2021
(山口敏太郎タートルカンパニー ミステリーニュースステーションATLAS編集部)