呪い

【山口敏太郎の呪物コレクション】戸隠山の鬼

【戸隠山の鬼】

紅葉(もみじ)という名の女の鬼が居ると言われているが、元々は男の鬼が居るという伝承であった。

途中で伝承が変化したものと思われる。

【戸隠山の鬼伝説について】

紅葉伝説は、平安時代の武将である平維茂(たいらのこれもち)によって鬼女が討ち取られるというもので、鬼無里や別所温泉などに伝わる。

出典によってバラつきがあり、『太平記』で描かれる多田満仲が戸隠山の鬼を斬るという話が、能にも取り入れられるほどポピュラーなものとなっているほか、『戸隠山絵巻』にて九生大王と呼ばれる戸隠山の鬼がきひの大臣に退治されるという伝承も残る。

絵は、「【本朝通紀】多田満仲 戸隠山の鬼を平らぐ」「【前太平記】源満季 藤原千晴を生捕る」とある。満仲と満季は同母の兄弟関係にあたるため、征伐の対比として描かれたものか。

(写真:大内かっぱハウス2F 山口敏太郎妖怪博物館)