かれこれ20年近く前のお話しです。
私は、元夫と婚約中で、元夫の実家に遊びに行った時の話です。泊まる部屋が、蔵の前の離れで、離れの前には中庭がありました。
ポツンと、そんなすきま風のはいる離れで、それも北枕で寝たのがいけなかったのですが、眠りそうになると、夢の中に着物を着た女の人が、中庭の背の高い松の木の枝からぶら下がったようにブランブランと、近づいたり遠ざかったりするのです。
着物も、普通の着物ではなくて、白い襦袢のような感じでした。髪の毛は腰の所までありました。
ブランブランしながら、「おいでおいで」をするのです。
当然、驚いて目が覚めます。ふと見ると、TVの上に藤娘のような日本人形が置いてあって、「それがそういうふうに見えたのかも知れない」と決めて、また寝ます。
眠りかけたら、また「おいでおいで」が・・・
それが夜が白む頃まで続き、やっと夜が明けると、消えました。そこからぐっすり寝た私は、いきなり、婚約者の実家で朝寝坊をするという大惨事になってしまいました。(..;)
この結婚、していいのだろうか・・・と、その時不安になりました。
その後、結婚し、その家で住んでいた時におばあちゃんが話していたのですが、家に偉いお坊さん(倶利伽羅不動尊の館長さん)がお参りに来て下さった時に、「この家のどこかから、女の人の悲しそうなすすり泣きの声がずっと聞こえる」と言っていたそうです。
それを聞いた私は、「やっぱりなぁ、あの女の人は庭の木で首をつったのかも知れないなぁ」などと、思い浮かべたことでありました。
その家は、昔、その家族が住み着くまでは旅館だったそうです。そして、昔のことでしたので、女の人がとらわれて、売春のようなことをさせられていたということです。
その後、元夫が彼女を作った時に、彼女の髪の毛が腰まであり、私は因縁の深さに「これは勝たれへんわ・・・」と思っていたことでした。
私も負けずに髪を伸ばしましたが、背中までがやっとで、腰まで伸ばす根性はありませんでした。
当時は何もわからないまま、「光の方へ行って下さい、自分で光の方へいけますから」とお祈りしていました。
ちゃんと光の方へ行ってくれていたらいいのですが。今思えば、地縛霊だったのかもしれないですね。
と、2006年にブログに書きましたが、どうやらまだそこに居るような感じです。私は息子を連れて離婚をしたので、何も霊障のようなことはありませんが、残された一時は家族だった人達ががいるので心配です。
倶利伽羅不動尊の館長さんは、「七代祟っても祟りきれない霊が、ずっとすすり泣いている」と、おばあちゃんに言ったそうで、私の息子がちょうど七代目で、当時は空恐ろしかったです。
結婚式で宮司さんの持っているひらひらの棒の紙が、榊ごとすっぽ抜けて飛んで行ったのも今思えば悪い予兆だったかもしれないし、その日が5月なのに土砂降りだったというのも予兆だった気もしてきます。
今は再婚して、息子も私も今の夫の籍に入り、家も猫だらけで霊の入る隙間は無さそうです。
(アトラスラジオ・リスナー投稿 Y.S.さん ミステリーニュースステーションATLAS編集部)
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