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誇張しすぎで本人から説教、確執まで生んだ?!「コロッケ」ものまね伝説

日本を代表するものまねタレントの一人といえば、間違いなくコロッケの名前が上がるだろう。

極端に誇張した、いわゆるデフォルメの顔芸やダンス・アクションを取り入れた、それまでに無いものまね芸の幅を広めたパイオニア的存在であり、栗田貫一、清水アキラ、ビジーフォー(グッチ裕三・モト冬樹)らと合わせてものまね四天王とも呼ばれている。

子どもの頃から芸能界に憧れており、高校卒業後、地元熊本のショーパブにて活動をしており、よく名前が知られていた存在だったという。この時期、上京した際にラジオ局でモノマネを披露する機会があり、タモリや赤塚不二夫といった面々が立ち会った。

だが、同じく立ち会っていた所ジョージから「ものまねは似ているけど面白くない」とダメ出しを受けたことがきっかけとなり、熊本に帰ってからはより”面白さ”を追求して行ったという。そのことがまさしく、こんにちに至る彼の芸風の確立をもたらしたと言える。

1980年、『お笑いスター誕生』にて勝ち抜いたことで世間的にも知名度を高めた。初期はいわゆる形態模写を行なっており、ちあきなおみや八代亜紀の実際の楽曲音源に合わせて、顔や動きを極端に誇張させる芸を披露したことで人気を獲得。ブルース・リーの「燃えよドラゴン」の音源に合わせて、駅の道順に答えたり、熱々のヤカンに触れたりするという芸も有名である。

相手が大物歌手であろうとお構いなしであり、森進一のくしゃみが出る直前で止めたかのような形相、五木ひろしのロボットのような動き、岩崎宏美の笑顔で顎を突き出す仕草など多岐にわたっている。北島三郎の曲であれば鼻息を荒くし、瀬川瑛子の曲であれば牛の鳴き声を上げ、堀内孝雄の曲であればハエを目で追い捕まえようとする仕草で歌うなど、それまでのものまね芸とは一線を画した芸風で絶大な支持を得ることとなった。

ただ、これらのものまねは本人には無許可で行なっており、そのこともあってものまねされた本人が不快に思うこともままあり、岩崎宏美などはコロッケのものまねの影響で、一時期持ち歌を封印してしまったこともあった。

その一方で、コロッケのものまねに助けられたという人物もいる。

彼のものまねのレパートリーの一人でもある美川憲一は、かつて大麻取締法違反で逮捕されたことがきっかけでテレビ出演を控えていた時期があり世間から忘れかけられていた。しかし、コロッケのものまねによって美川憲一という存在が再び注目を集め、毒舌のオネェキャラとしてのタレント活動を積極的に行なうに至った。

なお、コロッケが美川憲一のものまねを始めたきっかけは美川本人の希望だったらしく、形態模写だけでは売れないから私の真似をしなさい、と声をかけたのがきっかけで始めたとのこと。また、ものまね番組においてコロッケのものまねの背後から美川本人が登場するという様式を用いたことも、美川憲一の再ブレイクと共に、ものまねにおける「ご本人登場」という名物スタイルの確立を手伝うきっかけにも繋がったと言われている。

また、コロッケとの関係を語る上で野口五郎の存在を忘れてはならない。彼の野口五郎のものまねのスタイルは、常に軽く舌が出た状態で口を開けており、なにより最も象徴的なアクションは鼻をほじる仕草であった。これが、より過激になるとほじったあと鼻くそを飛ばしたり、ほじった後にその指を口に入れたりといったアクションも行われたほどだ。

当時、入院中であった野口がいざ退院となるという日に、初めてコロッケによる自分のモノマネを見て、そのあまりの内容に退院が延期になったとさえ言われている。また、その頃の若い人たちはコロッケのものまねを見たことで「野口五郎は鼻をほじる歌手」というイメージを持ってしまい、いざ本人の歌っている様を見た時には、鼻をほじらないことに疑問を持ってしまうといった人が続出したという。

当然とはいえ、当時はかなりお叱りを受けたようで「人の一番大事な曲で何をするんだ」と野口から言われたという。しかし、この時コロッケは本人を前にしてガチガチに緊張してしまっており、結果「ほかの曲だったらいいですか」と思わず聞いてしまい、「そういうことじゃねーよ!」とツッコミを入れられたという。

とは言え、その陰では「俺は怒っている体で行くからな」とコロッケをねぎらう様子もあり、コロッケが野口に米を送った際は、これをネタに「コロッケが俺に年貢米を送っている」と野口が方々で発言、お受けになっていたということもあったそうだ。

コロッケと野口の確執疑惑については世間的にかなり強く認識されていたらしく、コロッケが経営する六本木の飲食店の看板を野口五郎が破壊した、というような噂まで広がったこともあるという。実際は、互いのバースデーパーティーに顔出しをするなど信頼した関係であるようだ。野口の人柄ということもあるかもしれないが、コロッケの芸がそれだけ認められていることの証左とも言えるかもしれない。

【参考記事・文献】
コロッケ(タレント)
https://x.gd/qBJYE
ものまね界レジェンドコロッケにインタビュー~後ろからご本人登場がターニングポイント~
https://weekly-jitsuwa.jp/archives/89673
美川憲一 コロッケの伝説ものまね 誕生は意外にも…
https://www.sponichi.co.jp/entertainment/news/2023/12/24/kiji/20231224s00041000176000c.html
コロッケ、いま明かす「野口五郎との確執」真相は…
https://news.livedoor.com/article/detail/18496251/
コロッケ ものまねでご本人から説教
https://news.ntv.co.jp/category/culture/b123a8dc79d1497096d1dba0a0dd6707

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【文 ナオキ・コムロ】

画像 ウィキペディアより引用