高知県を中心とした四国の山中に現れる妖怪。
身長は約90〜120センチほど、一本しか足のない人間のような姿をしており、全身に鼠色の短い毛が生えている。
また、左右で目の大きさが違い、片方は非常に大きくて爛々と光っており、もう片方は目立たないぐらいに小さいので、一見一つ目に見えるという。
非常に強い顎を持っており、捕まえた猿やイノシシを大根でもかじるように頭から食べてしまうため、狼さえ山爺を恐れて近づかないとされていた。そのため、猟師たちは自分たちがとらえた獲物や毛皮を狼にとられないよう、山爺に動物の骨を与えて手懐けていたという。
山爺は非常に大きな声の持ち主で、一声叫べば木の葉が落ち石が動くほどだったという。
山爺の伝説の残る地域には、猟師に大声比べをしようと挑む話があり、その話の中で猟師は大声と偽って山爺の耳元で鉄砲を撃ったり、また「南無八幡大菩薩」と書かれている隠し玉、守り玉を用いて山爺を打ち負かす話も残っている。
(田中尚 ミステリーニュースステーションATLAS編集部)
画像 ウィキペディアより引用