1944年、まさにノルマンディー上陸作戦が実施されようとしていた頃のこと。イギリスのグラマースクール校長であるレナード・ドーは、デイリー・テレグラフ紙のクロスワードパズルの答えを作成していた。
ユタ(UTAH)とオマハ(OMAHA)という回答が出るクイズを作成し、その2週間後にはジュノー(JUNO)、マルベリー(MULBERRY)、オーバーロード(OVERLORD)という単語が答えとなるパズルを作成。
しかし、このクイズがもとで彼はイギリス諜報機関MI5の尋問に遭うことになる。なぜなら、彼が作成したパズルの答えはある重要な作戦を示す暗号のキーワードとなるものだったからである。
その作戦はノルマンディー上陸作戦。第二次世界大戦中の1944年6月6日に連合軍によって行われた、当時ドイツ占領下であった北西ヨーロッパへの侵攻作戦を示す暗号や作戦名と合致。
本来ならば連合軍司令部しか知り得ない極秘の情報であったため、軍は彼がドイツのスパイではないかと考えたのだが、彼は全くの無実であった。
二回とも、全くの偶然の産物だったのだ。結局、全くの偶然であることが判明して調査も打ち切られたが、まさに事実は小説よりも奇なりとも言うべきシンクロニシティの事例であると言えるだろう。
D-DAY | Planning, Deception & the Daily Telegraph Crossword
(山口敏太郎/田中尚 ミステリーニュースステーションATLAS編集部)
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