三船敏郎は、昭和を代表する名俳優の一人である。黒澤明監督作品にも数多く出演経験があり、またヴェネチア国際映画祭で男優賞を2度受賞するなど世界的にも高い評価を獲得、「世界のミフネ」とも称された。
世界の名立たる映画監督から、共演や出演の熱望が絶えなかったという三船敏郎には、印象深い逸話やエピソードもいくつか存在する。
ザ・ドリフターズのバラエティ番組『8時だョ!全員集合』でゲスト出演した際には、時代劇のコント中に甲冑をまとった姿で威厳あるオーラを放ち登場。その中で、志村けんがネタでたびたび歌っていた「カラスの歌」がお気に入りであると答え、実際に志村の指揮のもと会場の子供たちと歌って披露した。
「勝手にしやがれ」と言い放って退場していくその途中、なんとヒゲダンスのアクションで舞台袖へ去っていったことで会場からは歓声が上がりドリフのメンバーも驚きを隠せなかったという。
三船敏郎の有名なエピソードの一つといえば、ジョージ・ルーカス監督のSF超大作『STARWARS』のシリーズのオファーがあったというものだろう。
ルーカス監督により当初オビ=ワン・ケノービ役のオファーがあったということであるが、当時の三船は「SFは子供向け」「武士道やサムライ魂の表現は不可能ではないか」などの理由から断り、その上で「ダース・ベイダー役ならどうか」とも提案されたようだが結局実現することは無かった。
監督のことをよく知らない人であったということも影響したようである。
『STARWARS』は大ヒット作品となったこともあってか、三船は拒否したことを後悔したそうだ。のちにルーカルの友人であるスティーヴン・スピルバーグ監督の『1941』にアキロー・ミタムラ中佐役として出演したものの、こちらの映画は大ゴケをしてしまった。
また、三船の豪快さを物語るエピソードもある。
息子の史郎氏によると、彼が小学生だった頃に三船が「セスナの免許を取る」と言い、ある年母の日に学校の運動会が行なわれていたところへ、グランド上空をセスナで低空飛行して登場し、赤いカーネーションの花束をばらまいたということもあったという。
さらに、三船は酒を飲みすぎると家の中で真剣を振り回すこともあったというが、この酒乱だったというのも彼のエピソードとして強く囁かれている。
息子など家族の証言によれば、酒で暴れるのは日常茶飯事であり、夫人も家から避難することすらあったという。
共演者による証言もあり、特に殺陣師の宇仁貫三は後始末を頼まれる要員の一人となっていたといい、三船が真剣を振り回したのちに彼の自宅を訪れた際には、柱が刃の傷で削れ、ピアノが変形してしまっているなど、部屋中がバラバラな有様であったようだ。
武士、侍の魂という信念が真剣で暴れるといった行動を引き起こしていたのだろうか。家族にケガが無かったことがせめてものセーブであったことだろう。
【参考記事・文献】
三船敏郎、『スター・ウォーズ』出演を断った秘話 娘・美佳が語る
https://www.cinemacafe.net/article/2015/12/04/36183.html
三船敏郎
https://dic.pixiv.net/a/%E4%B8%89%E8%88%B9%E6%95%8F%E9%83%8E
三船敏郎さんの豪快エピソードは本当だった 息子・史郎が明かす
https://www.cinematoday.jp/news/N0100629
三船敏郎の酒乱エピソード
https://star-director.info/category17/entry219.html
三船敏郎
https://dic.nicovideo.jp/a/%E4%B8%89%E8%88%B9%E6%95%8F%E9%83%8E
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【文 ZENMAI】
画像 ウィキペディアより引用