妖怪・幽霊

戦時の痕跡を住宅地に残す心霊スポット 埼玉県入間市の「陸軍狭山飛行場跡」

陸軍狭山飛行場は、かつて埼玉県入間市豊岡に存在した飛行場である。1937年、陸軍所沢飛行場内に開校された「陸軍士官学校分校」が翌年に豊岡町(現在の入間市)に移転し、陸軍士官学校分校の教場として成立したのがこの佐山飛行場だ。

戦後、飛行場のあった場所は狭山台土地区画整理事業が行なわれたことで農地開墾、のちに狭山台工業団地化が進み住宅地として現在に至っている。飛行訓練塔やエンジン試験台の基礎などが残されており、今でも飛行場時代の面影を辿ることのできる場所となっている。

日本各地にある心霊スポットの中には、戦争にまつわる遺構や史跡も少なくない。戦争においては庶民・軍人に限らず多大な犠牲者が出ているというイメージが、そうした心霊スポットとしての地位へと確実に押し上げていることは容易に想像がつく。

例えば、入間市の武蔵野音大の近くには4つほどの防空壕があり、そのうちの1つの壕を奥に進んでいき、小部屋みたいな場所をのぞき込むと呪われるという話があるという。そうした、戦争の痛ましい記憶が残る場所は何らかの曰くが付き物で、心霊スポットとして広く知られるようになっていった。狭山飛行場跡も、そうした心霊スポットの一つとして語られている。

しかしながら、狭山飛行場の目撃談については、「兵士の幽霊が彷徨っている」「動物の幽霊が目撃される」などきわめて曖昧な情報しか無く、当地特有の体験談というものは今のところ見られていない。心霊スポットとしては非常にマイナーであるのか、それとも心霊スポットとして認知され始めたのがかなり最近になってからであるとの可能性も考えられるだろう。

入間市には、このほか市内の仏子駅近くにあった元民泊施設「グリーンロッジ」や、最終処分場の隣にある「桂の里公園」などが心霊スポットとしてあげられているが、いずれも印象に残る曰くは聞かれておらず、グリーンロッジについては廃墟であったがすでに解体済みとなってしまっているという。

飛行場跡は住宅地になっているということで、訪れる際は迷惑のかからないよう注意していただきたい。そして、興味深い情報があれば是非一報を願いたい。

【参考記事・文献】
陸軍狭山飛行場跡 – 埼玉県の心霊スポット
https://ghostmap.jp/spotdetail.php?spotcd=6192
陸軍狭山飛行場跡(埼玉県入間市)
https://inogawa.web.fc2.com/senseki1/senseki122.htm
陸軍航空士官学校狭山飛行場跡(陸軍狭山飛行場跡)
https://senseki-kikou.net/?p=12331
音大近くの防空壕 – 埼玉県の心霊スポット
https://ghostmap.jp/spotdetail.php?spotcd=4048

【文 ZENMAI】

Photo credit: danielfoster437 on Visualhunt