UFOの歴史を紐解く際に欠かすことのできない出来事といえば、なんといってもロズウェル事件だろう。
1947年7月、アメリカのニューメキシコ州ロズウェルにUFOが墜落し、その残骸が米軍によって回収されたと言われる伝説の事件である。
空飛ぶ円盤の回収と発表された直後に観測気球であると改められたことなどから、何か重大な秘密を隠しているのではないかとする憶測も多く飛び交い、実際に不可解なことが起こっていたのか、はたまた町興しのための壮大な宣伝であったのかなど、今もなお多くの謎を残している事件となっている。
2004年9月4日、UFO墜落現場となったロズウェルにて、地元の実業家ロバート・リッジがロズウェルの砂漠で鹿狩りをしていた際に、何やら茶色の奇妙な石が砂に覆われているのを発見した。
その石は、厚さ1.5インチに幅2インチと掌に収まる程度の大きさで三角形の形になっており、また月や太陽のようなものをかたどったかのような不思議なマークが突出していたのだ。これが通称「ロズウェルロック」と呼ばれるものである。
実は、このマークは1996年に、イギリスのリディントン城近くのトウモロコシ畑で発見されたミステリーサークルの模様と酷似していたことがわかったのだ。ミステリーサークルといえば、大規模な畑に突如として現れる謎の幾何学模様として知られており、その模様が異星人からの何らかのメッセージ・暗示を表しているのではないかとも言われている。
また、「古代の宇宙人(IN SEACH OF ALIENS)」という番組でこのロズウェルロックが特集された際、より奇妙なことが判明したという。専門家の見解によると、この石がどのような道具を用いて作られたものであるかがわからず、石細工職人に同様の模様を作るよう挑戦をさせてみたものの、到底ロズウェルロックに及ぶ整った出来映えとはならなかったのだという。
また不可解であったのは、磁石を近づけると時計回りもしくは反時計回りに回るということだ。そのため、ロズウェルロックは磁気を帯びており、しかもその磁気は石全体ではなく模様の部分からのみ帯びているということが調査結果でもたらされたという。
これらの事情から、この石はロズウェルに墜落したUFOの機体の一部、もしくはそのUFOによって持ち込まれた遺物ではないかという説も浮上し、宇宙人、ミステリーサークルなどとの関連が強く考えられるようになった。
一方で、ロズウェル事件そのものが懐疑的に見られるのと同じく、ロズウェルロックについても手の込んだデマなのではないかという意見が上がっている。中でも興味深いのは、実は販売されていたグッズだったのではないかというものだ。
1998年、ALIEN ENCOUNTER98というイベントが行なわれており、そこで「ミレニアム・プロダクション」という会社が、ロズウェルロックのものと同じ模様の入った石を売っていたという話がある。そもそも、模様についてはミステリーサークルの方がいわば先に発見されているということもあり、ロズウェルロックの模様はイギリスのミステリーサークルをモチーフにして作られた商品だったのではないかというのだ。
先の石細工職人の製作したものについては、「よって人工的に作ることは不可能」とみるより、「時間をよりかければ精巧な”レプリカ”にはなり得る」との支持も見られている。ロズウェルロックは、心無い購入者が砂漠に投げ捨てられ、ロズウェル事件に便乗した形で持ち上げられてしまった今は無き販売会社のグッズだったのだろうか。
【参考記事・文献】
ロズウェル・ロック:ミステリーサークルと繋がる磁気異常
https://www.historicmysteries.com/myths-legends/roswell-rock/1490/
ロズウェルロックの謎とミステリーサークルとの関連とは?
https://xn--u9jt50gza675pwgy001a.net/5739.html
Review of In Search of Aliens S01E04 “The Roswell Rock”
https://www.jasoncolavito.com/blog/review-of-in-search-of-aliens-s01e04-the-roswell-rock
【アトラスラジオ関連動画】
【文 黒蠍けいすけ】