※下記は2019年5月の記事の再掲載です。
これは1973年(昭和48年)9月5日に毎日新聞が報じた記事である。
小学4年生がハンドル「百キロ出し走り回る」というなんとも興味を惹かれる記事が掲載されている。記事によると、9月4日、東京都江戸川区の路上でフラフラと危険運転を行う自動車が目撃された。
この自動車は運転中にいろんな場所へぶつけたのか、ボロボロになっており、、江戸川区内の袋小路で右往左往しているところを近所の人が見つけた。
「おい!危ないじゃないか!」
住民が運転席に怒鳴り込んだところ、運転席にいたのは、なんと小学生らしき少年ふたり・・・
この二人は新宿区の児童相談所に窃盗の罪で保護されていた10歳および9歳の少年で、彼らは4日の朝、保護されていた児童相談所の生活が突然嫌になり、「家に帰ろう」と相談所を抜け出した。
その後、彼らは実家のある東京都葛飾区を目指して、電車に乗ろうとしたが、一銭も持っていなかったため、近くのボウリング場へ行き、ロッカーから現金と腕時計を盗み出し換金。この金でカレーライスを食べ、ゲームセンターで楽しんだ後、道端で車のキーがつけっぱなしにしてある自動車を見つけた。
彼らは運転免許はもちろん、車も運転したこともなかったが、「よく父親の運転を見ていたので運転の仕方は知っている」と車で葛飾区を目指すことにした。
しかし、やはり小学生に都心の路上はハードルがは高すぎたのか、途中で運転できなくなってしまい結果、児童相談所へ舞い戻ることとなった。(なお、表題の百キロというのは彼らが自動車を盗み出して移動した距離のことで、速度ではない模様)
今からわずか45年前。これは東京の中央で発生した不良小学生が巻き起こした、結構笑える恐ろしい実話である。
(穂積昭雪 ミステリーニュースステーション・アトラス編集部)
画像 madk / photoAC