※下記は2019年3月の記事の再掲載です。
これは1973年9月14日の毎日新聞に掲載された記事である。
「迷子九ちゃんの一声 飼い主はお父さん」
という記事が掲載され、一羽の九官鳥と飼い主の奇跡の感動エピソードが掲載されている。
ある日、大阪の河内署は迷子になっていた九官鳥を保護した。
河内署はすぐに張り紙をしたところ、保護から20日後、九官鳥を逃がしてしまった愛鳥家たちが次々と現れてしまったという。その数なんと12件!
ところが・・・九官鳥は見た目にあまり個体差がないようで、逃がしてしまった飼い主達は「これは私の九官鳥だ!」「いや私のだ!」と大騒ぎ。警察署内も困り果ててしまったという。
数時間後、4件まで飼い主を絞ることができたが、各人、証明する「決め手」がなく難航してしまった。
そんななか、東大阪市在住のAさんはポツリと「うちの九官鳥なら「お父さん」と話すはずだ」と証言。しかし、九官鳥は見知らぬ男性に囲まれて緊張しているのか黙り込んだまま。
しかし九官鳥が何かを喋らないと誰の九官鳥かわからないため、飼い主たちと警察署員は20分待つことに。「もう無理かな…」と会場内が静まり返った時、九官鳥はいきなり「お父さん」と喋りはじめた。
Aさんは「九ちゃん!」と鳥カゴに駆け寄り、九官鳥は無事に飼い主の元へと戻っていったという。
まさに、飼い主と鳥の愛情をつないだかのような良イ話である。毎日新聞には九官鳥との再会を果たし涙を浮かべているAさんの写真、そして心なしか笑みを浮かべているかのような九官鳥「九ちゃん」の写真が掲載されている。
(文:穂積昭雪 山口敏太郎事務所 ミステリーニュースステーションATLAS編集部)
Suraj Deo SinghによるPixabayからの画像