スピリチュアル

「あまりに怖くて気絶すること」

知人のBさんは埼玉県在住40代男性、会社員です。彼は不思議体験心霊体験・UFO・UMA・古代文明などなど、オカルト全般が大好物で、日常の中で出会うさまざまな人からいろいろなオカルト話を聞き集めるのが何よりの楽しみという人です。

私はよく情報交換をさせてもらっておりますw。

Bさんの聞き取りの姿勢は、リアルな話から荒唐無稽な出来事まで、まずは相手の言うままに熱心に聴く、というもので、正しいフィールドワークをなさる方ですが、一点、Bさんには聞き取りをしていてどうしても気になってしまうポイントがあると言っていました。

それは「気絶」という事象です。

人が体験談を語るとき、「気絶」という言葉が出ると、急に嘘くさく感じてしまうというのです。

例えばいい感じで心霊話を聞いていても、お話をしてくださる人が「そこであまりの怖さに気絶してしまいました」などと語ると、その途端(嘘クサ!)とやや脱力してしまうというのです。

「だってさー、気絶って、頭打ったり貧血になったりして起こるもんじゃないの? いっくらなんでもいい大人がそんな、『怖い』くらいで気絶はないでしょうよーwww」

というのが彼の言い分です。

これには私も少し共感するところがありました。しかし後日、Bさんからこの説について「反省した」という連絡がありました。




それは、こういう話でした。

最近、Bさんに仕事で地方出張がありました。宿泊先は本人が決められるので、せっかくだからと、Bさんはネットで調べ、「出る」というホテルに泊まることにしました。

Bさんはオカルトは好きですが自分自身で体験したことはなかったので、今回もまったく期待せず、ごくごく普通に業務を終え、夜はすぐに眠ってしまいました。

夜中に目覚め、まだ夜だよね、と、再び眠りに入ろうとすると、なぜか寝入る感じがつかめません。

では、と起き上がろうとすると、体全体に重石を置かれたように動きません。生まれて初めての金縛りです。

これが金縛り? これって金縛り? と、怖くもありながらときめいていると、Bさんの顔の真上の天井に、漆黒の丸いもやのようなものが浮かんでいました。

『なんだあれは︎』

Bさんは生まれて初めての怪異に目が離せずじっと見つめていると、その黒い塊はだんだん何かの形にまとまりながら下に、下に、つまりBさんの方へ、方へと降りてきます。

うわあーー、と逃げ出したいのに動けず、叫びたいのに声も出せず、ただただ緊張だけが高まって行くうちに、急に気が遠くなって、気がつくと朝が訪れていたということです。

Bさんは、

「私が間違っていました、“恐怖で気が遠くなる”というのは、“あり”です!」

と力強く断言しました。

「ただし・・・」とつけ加えて言うには、

「でもあれは、気絶とは別モノだと思うんだよね。怖いことは怖かったけど、自分は怖くて気絶したわけじゃないと思うんだよ。だって、むしろもっと見たかったし。でも、なぜか意識を保っていられなかったんだよね。あれはねえ、『気絶』っていうより、『強い睡魔に襲われた』、って言う方が近いかもしれない。見たい見たい、という気持ちとはうらはらに寝ちゃう感じ、一夜漬けの試験勉強で、勉強したいのに机で寝ちゃう感じと近いかな」

と言っていました。

私はBさんのこの話を、これはこれで興味深く聞かせてもらいました。

(アトラスラジオ・リスナー投稿 タマリンさん ミステリーニュースステーションATLAS編集部)

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