業界のウワサ

「オマエは愛の救世主」損失150億円をケンシロウに助けられたSammyのしくじりと復活

12月30日放送の『しくじり先生 俺みたいになるな!!』(テレビ朝日毎月第4週金曜日深夜0時45分)は、伝説のパチスロ機「パチスロ北斗の拳」を生み出したSammyが教材。

まずSammyとは・・・パチスロ業界をリードする超大手メーカー。代表作は「獣王」「ディスクアップ」など。パチスロ史に残る超人気台を製造。なかでも2003年発売「パチスロ北斗の拳」は62万台と言う、今も破られていない記録を持つ。

そんなSammyも2001年、パチスロ業界史上最大のしくじりを起こしていた!

それは・・・《当たりを何度でも出せるバグが発覚、150億円の損失》

しかも、そのバグというのが『レバーをゆっくりと倒して打つと当たりを何度でも出せる』(コピー打法)という、至ってシンプルなものだった。

これにより連日Sammyの台は、誰もが大当たり。この当時、このコピー打法がインターネット掲示板に攻略打法として全国に拡散してしまったのである。

そして全国パチスロ店のサミー台エリアは封鎖、社長の謝罪、株価大暴落となる。

この日、番組講師の狩野英孝も当時を「確かにサミー台エリアは封鎖されて打てなかった。株価は半分の連日ストップ安。時価総額約1200億円のマイナスでもう立ち直れないだろうと言われていた」と振り返る。


しかし、ここまで復活した・・・その対応を教訓としたいのがこの日の授業。

事件の原因『斬新な開発を優先するあまり危機管理が甘かった』

教訓1、危機管理なんてと思わずに調子がいい時ほどシッカリとする

Sammyまず対応しなければならない二つの事

①全国に置かれたスロット台の欠陥を修理 これを修理するには法的(風営法)により、申請書がパチスロ台1台につき1枚必要。
そしてレバーの接触不良に部品を後付けすれば正常に動く様になることが分かった。納品した全国1万3千店舗、約32万台。ということで、32万枚の書類と32万台分の部品を用意、そして修理をなんと、たった1週間で対応。

狩野が「もうこれ 無理ゲー!Sammyの無理ゲー!」と好き過ぎる故の本音を漏らす。

間に合わせるために社員約500人を総動員でハンダゴテを持ち部品を制作。さらに一気に部品を集めた為、1個5円だった部品が500円に急騰という異常事態。

しかし製作開始から6日目に32万台分の修正部品が完成!そして更に32万部の書類も完成し、社長も各所に掛け合い申請も完了した。

教訓2、不祥事が起こった際、大事なのは“スピ―ド”、対応を先延ばしにすればするほど致命的なダメージを受ける

②パチスロ店との信頼回復 その為に全国のお店の損害をすべて補償。100億円を投入。

教訓3、仕事においては「赤字の回復」よりも「信頼の回復」が最優先

この結果、150億円の損失。これを取り返すために、「キングキャメル」と言う台を出すが、大不評。その後、入社5年目の沢田さんが製作していた台が「北斗の拳」。それをリリースした所、当初目標が3万から5万台が最終的には62万台の大ヒット!

狩野の様に「パチスロで北斗の拳を知った」と言う人も多いと言う。狩野は続けて「パチスロのボタンを押すと「アタァ!」って言う。自分がケンシロウになった気分。俺ケンシロウなの?」と興奮気味に熱く語る。

この「北斗の拳」一機種のおかげで約2500億円を売り上げ、Sammyはパチスロ業界のトップレベルメーカーになった。

(辻伊織 山口敏太郎タートルカンパニー ミステリーニュースステーションATLAS編集部)

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