5月26日、国内最高齢のゾウ「はな子」が死去した。推定69歳だった。
はな子は第二次世界大戦後、はじめて来日したゾウで戦後日本の復興を見続けた。
しかし、その生涯は決して幸せではなく過去、2回誤って人を殺し「殺人ゾウ」とあだ名されたり、晩年にはストレスが溜まり飼育員に怪我をさせその生涯のほとんどをたった一匹で過ごした。硬いコンクリートのなかで何十年も一匹で過ごしたはな子を見て海外では「タイに返すべき」という声もあったが、最終的には日本でひっそりと亡くなった。
はな子の死は大々的に扱われニュース番組やニュースサイトで大きく報道されたが、一部では「象のはな子死ぬ」という見出しに嫌悪感を抱く人が多かったという。
落語家の立川談笑は「動物相手だから、逝去、亡くなるの敬語的表現は避けたとしても、死去、他界、永眠。いくらも言葉はあるのに。」とつぶやき、とあるユーザーは「死ぬって表現失礼だよね。記事を書いている人ははな子より年下だろう」という声もある。
本来「死去」は人間だけに使わる日本語であり、大辞林にも「死去=人が死ぬこと」とある。そのため動物であるはな子に「死去」は使えず、「はな子死ぬ」という冷たい見出しになったのだという。唯一毎日新聞が「亡くなった」と表現していたが、ほとんどは「死ぬ」で統一されている。
本ATLAS編集部は人生の大先輩でもあるはな子に敬意を表し間違っていても「死去」と表記させてもらうことにした。はな子のご冥福をお祈りする。
(文:大森エビフライ ミステリーニュースステーションATLAS編集部)