スピリチュアル

「旅巡業公演中の怪異2話」

前回投稿させていただきました児童劇団の旅巡回での不思議体験のその他の投稿を忘れないうちに送らせていただきます。

讃岐の白狐です。場所、地名は相変わらず明確には思い出せませんが、見渡す限り山々に囲まれ、大きな河川が町を横ぎって流れている、確か愛知県ののどかな街と言うか村で遭遇した不思議な話です。

大きな川に沿った土手の道をトラックとバンの二台で走り、世の中にナビも存在せず、私が車内で大きな地図を広げて人間ナビをしながらの移動でした。やがて、地図上、目的地の小学校に近付いてきましたので、私は地図を片付けて目で小学校の所在を探していましたが、それからすぐに高い建物も数少なく開けた田園風景の中に 白い小学校の校舎らしき建物を発見しました。

意外と校舎も体育館も新しく、大自然の中で少し違和感を感じたのを覚えています。

さて何処から運動場に車両を入れられるのかと、トラックの助手席で身を乗り出して進路を探っていますと、時間はまだ午前9時前だったのですが、既に 体育館の正面入り口から運動場に掛けて30人程の人が並んでいるのが見えました。

その方々はゴザを引いて座って並んでいるのですが 皆、老人ばかりで、服装も野良作業の途中で来たのかと思える程、女性は頭にほお被りをかぶり、もんぺを履いて、男性も帽子を深く被って作業着っぽい服装でした。

「並ぶの早すぎませんか?しかも小学生じゃないし」と私が運転手に声を掛けると、「娯楽が少ない村なんじゃない。村中が楽しみに待っていてくれたんだと思うよ。映画館もないし演歌歌手がコンサートをするホールもないしね」と言われ、私は納得しました。

書き忘れてましたが前回の投稿も今回も昭和60年代の出来事です。

私達は、座っている老人たちのすぐ近くにトラックを駐車させ、老人たちとの接触事故など無いように注意深く荷物の搬入を開始しました。

近くで見ると ますます田舎に来たな〜って感じる服装の老人ばかりで、みな嬉しそうに輝くような笑顔で私達を見守っていました。

さて、準備も終わっていつものように小学生たちが先生の先導で体育館に入ってきました。そのあと先生の案内で近隣の住民が体育館に入場してきました。

その時、私は「えっ!」と声を上げる程驚いてしまいました。

あの老人たちではなく、近くの幼稚園児たちと綺麗なよそ行きの恰好をした大人達が入場してきたのです。勿論、老人も居ますが、朝見た方々でないのは分かりました。

私は驚いて楽屋に行って、その事実を劇団員たちに伝えましたが、実際に観客席を見てないせいか「朝の人たちは順番の場所取りに来てただけじゃないのか?着替えて来たんだよ」と言い、私の感じる違和感は誰にも伝わりませんでした。

開演中、私は今現実に目に見えている観客以外に朝見た老人たちも何処かで一緒に見ているのではないか、そんな思いでしたが、だとすれば朝見えた老人たちが今は見えないのは何故か?あの老人たちは何だったのだろうか?・・・それがとても不思議でした。




次の投稿は、公演の現場ではなく宿泊場での出来事ですが、基本的にその文化庁の依頼で巡回するような場所にはホテルなどは存在しない村が殆どで、古い旅館や民宿、酷い時には元連れ込み宿だった部屋に宿泊する事が多く、当然、様々な怪異現象に遭遇します。

ただ、それらは夜中に勝手にテレビが点いて砂嵐に起こされるとか、閉めても閉めても勝手に開くふすまとかで、あまりインパクトも無い話ですので、今回はそれ以降トラウマになってカーテンが閉められなくなった出来事を投稿します。

場所は九州は佐賀県のある漁港の3階建ての民宿で私が宿泊した部屋は2階、窓から停船した船と日本海が見えていました。

公演を終え民宿にて夕食を終えた後、手伝って頂いた九州時代の友人と劇団員で私の部屋で軽く飲もうという事になり、6畳の部屋に男性ばかり6人が集まりました。

座卓を囲んで座り、私はカーテンを閉めた窓を背にして宴会が始まりました。

1時間を過ぎた頃、時間的には21時過ぎにはかなり盛り上がっていましたが、突然、私の正面に座った2人が急に笑顔を顔面に貼り付かせたまま動かなくなりました。

ほろ酔いの他の人間は、相変わらず盛り上がったまま会話を続けていましたが、その2人だけがずっと私の方を向いたまま何も喋らずに何分か過ぎました。

その後、突然その内の1人が飛び上がるように立ち上がり、「俺、部屋に帰る」と言って部屋を出て行きました。そして、慌ててもう一人も出て行きました。

どうしたのだろう、と残った人間で顔を見合わせていましたが、その後、トイレに立った私が部屋を出て帰って来ると私と同室の男性以外、誰もいなくなっていました。

何かあった?と聞きましたが、同室の彼は分からないと言い、その後、部屋を片付けて布団を敷いて私達は就寝しました。

私は窓際に布団を敷き、もう一人は入り口の引き戸側に布団を敷きました。疲れも有って、私は直ぐに眠りに入ったのですが、深夜、突然金縛りに私は目覚めました。

見ると、カーテンの隙間から長い髪の女性の頭が部屋に横向きに突き出していて、垂れた髪の間から私の顔を覗き込んでいるのが見えました。

大きな眼球は私の動きを制するように凄い力で見詰めていました。だたし、不思議と怒りは感じず、寂しげに見えたのが印象的でした。

結局、私は金縛りが解けないまま意識を失い朝を迎えたのですが、朝食の席で私が昨夜の宴会の途中で部屋を出たわけを問い質すと、どうやらカーテンが私の頭の幅だけ開いていて、宴会の途中からその隙間の外を行ったり来たりしている女性の姿が見えたらしく、最後にはその隙間から部屋をのぞき込み始め、私の頭のすぐ上でずっと私の後頭部を見詰めていたとの事でした。

気が付いたのはその二人だけで、私がトイレに立ったので他の2人にもそれを伝えて宴会を終わらせたとの事でした。

私は、彼等に激怒し、「だったら、その時に言えよ!その部屋に俺たち二人を残して逃げるなよ!」と険悪な関係にその後なってしまいました。

その後、私はカーテンを閉められなくなりました。隙間から見えるより怖くはないと思い、それ以来カーテンは全開で寝るようになりました。

(アトラスラジオ・リスナー投稿 讃岐の白狐さん ミステリーニュースステーションATLAS編集部)

画像 MIND AND I / Adobe Stock