地球に似た惑星の探求は、これまで多くなされてきた。それは地球を離れた第二の地球という「移住地」の候補として、そして「地球外生命体の存在」への期待として、数々の惑星が発見されてきた。そんな中で、現在最も地球環境に近い惑星として注目されているのが「ティーガーデン星b」そして「TOI700d」と呼ばれる惑星だ。
一つ目のティーガーデンbは、地球から12.5光年の位置にある赤色矮星「ティーガーデン星」の周囲を好転する惑星の一つである。地球でいう太陽にあたるティーガーデン星は、2003年に天文学の国際プロジェクトチーム「CARNEMES」(カルネメス)によって発見され、表面温度が太陽の半分、大きさは木星ほどであると言われている。
質量も太陽の約10分の1ほどであるが、年齢は少なくとも80億歳と太陽よりも以前から存在していた星とされている。この星を公転する惑星は現在2つ確認されており、そのうちの一つがティーガーデンbなのだ。
驚くべきは、そのESIいわゆる「地球類似性指標」である。これは、大きさや質量、成分などを地球と比較して、その共通する指標を数値化したものであり、「1」に近いほど地球と共通するとされている。これまで、ケプラー1649cやプロキシマ・ケンタウリbといった類似惑星が発見されてきたが、ティーガーデンbは「0.93(あるいは0.95)」という驚くべき数値を叩き出している。
太陽系の惑星で最も地球に近いとされる火星でさえ、その数値が0.7であることと比較しても、その近似値の凄まじさがお解りだろう。この数値は今後変動する可能性もあるが、それでもかなり地球に近い値であることに変わりない。
主星から適度な距離を保ち水が液体で存在できる領域を「ハビタブルゾーン」と呼ぶが、ティーガーデンbはその圏内を公転していることが確認されている。また、主星であるティーガーデン星は、惑星の地表を汚染する恒星風の脅威が非常に低く穏やかであることから、きわめて生命誕生に有利な環境が整っていると考えられているのだ。
二つ目のTOI-700dは、太陽から100光年ほど離れた位置にある赤色矮星TOI-700を公転する太陽系外惑星の一つとして、2020年NASAによって発見された。この惑星も、ハビタブルゾーンに位置しており、またおよそ1年の観測中に主星のフレア(表面爆発)なども見られなかったことから、生命に適した環境が存在し得ると強く考えられている。
NASAのシミュレーションによれば、大昔の火星のように高密度の二酸化炭素の大気に覆われた、液体の水からなる海を持っているとされており、ESIもティーガーデンbに迫るほどに近い値であると言われている。また、TOI-700dは地球における月のように、主星に同じ半球を向けて公転しており昼と夜が固定されていると言われている。
このことから、仮に生物が存在しているのであれば、昼の半球では光合成を行なう植物が生存し、夜の半球では可視光に頼らない視覚を持った動物が繁栄しているのではないかとも考えられている。
生命誕生における条件がきわめて良好である両惑星であるが、特にティーガーデンにおいては地球誕生以前に惑星が誕生していた可能性から、高度な生命体の存在も期待されていることは想像に難くない。惑星が主星を横切る際に暗くなるという現象を利用した「トランジット」と呼ばれる惑星発見法があるが、我々がこれら惑星をトランジット現象によって目視する時、惑星側もまた我々を発見・目視しているのかもしれない。
【参考記事・文献】
地球の兄弟「ティーガーデン星b」に人類は移住できる?生命はいるのか?詳しく解説!
https://para-verse.net/teegardens-star-b-c/#index_id0
史上最も「地球に似た環境の惑星」が12.5光年かなたで発見される
https://gigazine.net/news/20190620-carmenes-dwarf-teagarden/
ハビタブルゾーンに位置する地球サイズの惑星
https://www.astroarts.co.jp/article/hl/a/11039_toi700d
生命がいるかも?100光年先に地球と似た惑星を発見「永遠の昼と夜の世界」
https://nazology.net/archives/50228
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(黒蠍けいすけ 山口敏太郎タートルカンパニー ミステリーニュースステーションATLAS編集部)
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