アメリカで今なお捜査が続けられている未解決事件の一つに「D.B.クーパーハイジャック事件」がある。
1971年11月24日午後4時35分、アメリカの上空を飛行していたノースウエスト航空11便にて、一人の男性乗客が客室乗務員の女性にメモを渡し、「爆弾を持っている」と告げた。
男性は鞄の中に導火線が繋がったダイナマイトを所持しており、身代金20万ドルとパラシュート4つを要求。身代金とパラシュートを受け取った犯人は乗客全員と客室乗務員2名を解放し飛行機を離陸させ、午後8時11分頃に高度約3000メートルの飛行機からパラシュートを付けて飛び降り、逃げおおせてしまったのである。
犯人は恐らくポートランドの北約50キロのアリエル郊外に降りたと考えられたが、以降足取りは全く掴めていない。後に、家族と一緒にキャンプをしていた8歳の少年が身代金の一部を発見。そこにはいくつかのメモが残されていたという。しかし、長年に渡って捜査や研究が行なわれているにもかかわらず、今も犯人のD.B.クーパーの正体や行方はは要として知られていない。
そんな中、この事件の手がかりになりそうな物証が発見されてにわかに注目を集めている。
10月26日木曜日、研究者のエリック・ユリス氏と彼の調査チームが、1980年に一人の少年がハイジャック犯の残したものとみられる大金を偶然見つけた場所の近くを捜索していたところ、古びた白く大きなシーツを発見。当初、ユリス氏はD.B.クーパーが逃走に使用したパラシュートを探していたため、遂にパラシュートそのものが見つかったのかと色めきたったが、その後の調査でどうやらパラシュートではないものの、また別の重要な証拠品である可能性が出てきたという。
プレスリリースによれば、このシーツは”密集したブラックベリーの茂み “の中にあったもので、Kマートのタグがついていた。しかもユリス氏はそのシーツが「1964年から1967年の間」、つまりハイジャック事件の7〜4年前に同店で購入されたものであることを突き止めたのである。
ちなみに当時客室乗務員だったティナ・マックローさんは、クーパーが飛行機から飛び降りる前に、不正に得た現金を何らかの “白い布 “で包もうとしていたことをFBIに証言している。同様の証言は他の目撃者からも出ており、「スカイジャック犯が白いシーツが入っていたと思われる大きめの紙袋を持ち歩いているのを見たことを覚えている」と証言した人もいる。
「この布は少なくとも56年前のもので、1980年に金が発見された地点から半マイル以内の手の届きにくい場所に、何らかの理由で、何者かによって運ばれたものであると考えて間違いない。客室乗務員らの証言、紙袋の謎、白いフラットシーツの年代、発見場所を考えると、これがD.B.クーパーが犯行の際に使用したものである可能性は無視できない」とユリス氏は結論づけている。
ユリス氏は現在、このシートにクーパーが飛行機の中に残したネクタイから見つかったものと同じ繊維が含まれているかどうか検査を行うつもりだという。
今なお謎多きハイジャック事件の解明に近づくことができるのか、期待していきたいところだ。
(飯山俊樹 山口敏太郎タートルカンパニー ミステリーニュースステーションATLAS編集部)
画像 ウィキペディアより引用
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