TOCANA及びアトラスでは、度々イギリスのサマセット地方に出現した「ギンプ・マン」について報告してきた。
ギンプ・マンは全身黒いラテックスのスーツに身を包んでおり、目には赤い✕マークがついている。更に特殊なオイルのようなものを全身に塗りたくっているようで、近くで目撃した人たちからは「ゴムとオイルの悪臭がした」という証言が寄せられている。
そんなギンプ・マンは活動を活発化させるハロウィンシーズンより約半年前の今年5月、警察に逮捕。そして10月末に裁判の判決が下されたのである。
ブリストル判事裁判所によれば、今回の裁判は今年5月7日の夕方と9日午前0時過ぎにサマセット州ウェストン・スーパー・メア近郊のブリードンで起きた事件に対するもの。9日の夜、自動車運転手のルーシー・ロッジさんは、ブリードンのアコモデーション・ロードを車で帰宅中、地面で何かが動いているのを見たと供述した。
「その人はとてもタイトな黒い服を着ていて、顔にマスクをしていました。マスクは黒っぽく、目のあるべき場所に白い十字架マークが2つあった。まるで偶然兵隊が匍匐前進をするように、地面に腹這いになって動いていました。私が最初に思いついたのは、誘拐の可能性でした。その人物は私を車から降ろそうとしているのではないか、と思ったのです。見かけたのはほんの数秒でしたが、怖かった」
非常に恐ろしい体験だったが、同時に自分の見たものがあまりに非現実的に感じられたため、彼女はしばらく自分が目撃したものについて自問自答していたという。
「新聞にも載っていたから、純粋に誘拐犯だと信じていた。家に帰ると呼吸が荒くなり、パニック発作に近い状態でした。こんなことは初めてでした。怖くて、もう二度と見たくありません」
家に帰った彼女の通報を受け、警察はブリードンに向かい、畑で逆走している白いベルランゴのバンを発見。車を停めさせたところ、グレーのズボンに黒いフード付きの上着を身につけたジョシュア・ハントを発見、逮捕。そしてこの度ジョシュア・ハント被告(32歳)はブリストル判事裁判所において、ギンプのスーツを着てサマセットで女性運転手を怖がらせた後、意図的な嫌がらせ、警戒、苦痛を与えたという公序良俗法に基づく2つの罪で有罪判決を受けることとなった。
しかし、ハントは警察に「ギンプスーツは持っていない」とし、容疑についても否定している。ハントは法廷で、今年5月に「非常にトラウマ的な精神状態」に陥り、カウンセリングを受けていたと語っている。当時着ていた服やフェイスマスクは庭師の仕事の際に使用していた泥除けであったため、事件当時も車に積んでいたという。
更に彼は「時々、自分自身のことが嫌になることがあり、その時は車に積んでいた服を着込んで自分自身を泥まみれにする」とも語っている。また逮捕された時は「自殺したかったから道路に立っていたのであって、誰かを怖がらせるつもりはなかった」としている。
果たして彼は長年地域を混乱に陥れてきたギンプ・マンなのか、それともまちがって逮捕された心を病んだ人物だったのか。判決は今後出る予定だ。
Joshua Hunt denies the chargeshttps://t.co/qZ4bEAePCj
— Bristol Live (@BristolLive) August 16, 2023
(加藤史紀 山口敏太郎タートルカンパニー ミステリーニュースステーションATLAS編集部)
Photo credit: BeatriceSongbird on VisualHunt
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