2017年にアメリカ海軍が撮影したUFO動画の存在を認めてから、アメリカ政府や軍はUFOに関する調査を開始したり、情報公開を積極的に行うなどUFO現象に関する姿勢の変化が見えた。
UFO現象に関する公的な調査が行われたり、議会でUFOが議題に昇ることも度々あったが、UFOにまつわる様々な謎や疑惑の解明には至っていない。UFO研究家の中には「一見透明化を進めているようには見えるが、肝心な部分には手が届かないようにしているのではないか」という指摘も出てきている。
真相に届きそうで届かないアメリカ軍及び政府のUFO研究について、実はアメリカ国防総省の司令官たちが「宗教的信条」を理由に地球外生命体の研究の締め付けを行ったからだという説が出てきたのである。
この説を唱えているのは民間のUFO研究グループである相互UFOネットワークことMUFONのメディア・リレーション担当ディレクターであり、UFO研究の第一人者であるロン・ジェームズ氏。彼によれば、アメリカ政府の上層部はエイリアンの正体が「悪魔」であることを恐れており、これ以上追求しないよう働きかけ、圧力をかけたという。
ジェームズ氏によれば、そもそも米国防総省の中には政府のUFO調査プログラムである先進航空宇宙脅威識別プログラム[AATIP]の活動に反対する人々が非常に多く存在するという。彼らはなんと米軍の情報源から定期的に報告されるUAPを動かしているのは「地獄から来た生物」こと悪魔だと考えており、信仰上の理由からこれ以上真相に近づかないよう反対しているのだとか。
日本では想像しにくい話であるが、敬虔なキリスト教徒の多いアメリカではこのように考える人も少なくないようだ。ジェームズ氏は、AATIPの長官であったと公言しているルイス・エリゾンド氏から「これはペンタゴンの中の小さな声ではない。現在UAPとして目撃されている現象の背後には悪魔があると考えている巨大なグループが存在する」と言われたと語る。主にキリスト教原理主義者が中心となってロビー活動を行い、「実際にエリゾンド氏の資金獲得能力に影響を与えた」そう。
ちなみにUFO現象と聖書に記された内容の両方を真実として信じることは相容れないことではない、とジェームズ氏は付け加える。
例えば、UFO問題を度々アメリカ議会で取り上げて話題になるティム・バーチェット下院議員は敬虔なクリスチャンでもある。ジェームズ氏が過去にバーチェット議員とにインタビューした際、彼は「聖書にてエゼキエルが幻視した天を行く車輪の記述を読んで、あの乗り物は宇宙船だと考える人がたくさんいる」と語ったという。
エゼキエルが見たものは天使の車輪であったが、もしUFOが我々人類に害をなすものであった場合、それに乗っている存在が悪魔である可能性は否定できないというのだ。
現代のキリスト教は科学をバランスよく取り入れようとしており、先日ローマ法王が「他の惑星に生命が存在する」ことを公式に認めて注目を集めたりもした。しかし未だに現代科学は間違っていると主張するキリスト教原理主義者も少なくない。アメリカの政界における宗教原理主義はかなり根深いものであり、その強権でUFOの研究は勿論、一般的な科学の研究すらも積極的に妨げられてきた、とジェームズ氏は語る。
UFOに乗って飛来してくる存在が何なのかは今のところ定かではないが、信仰上の理由によって研究が妨害されてしまう事は避けてほしいものである。
(飯山俊樹 山口敏太郎タートルカンパニー ミステリーニュースステーションATLAS編集部)
画像 ウィキペディアより引用