妖怪マニアなら、大脚怪(だいきゃくかい)という怪物を知っているだろう。
中国妖怪の山に棲む妖怪の代表的な存在であり、主に崑崙(こんろん)地方に出没、もの凄いジャンプ力を持つ存在で、8mぐらいは簡単に飛び上がると伝えられている。
旅人の前に突然、姿を現すとされており、大概な単独で行動している。
二足歩行の人型生物だが、興味深いことに小動物を食べたり、その頭部をひねり、首筋から血を飲むとも言われている”中国版の吸血鬼”だ。また、その強靭で脚力で小動物をけり殺したり、素早い動作で追いついたりもするらしい。
現代において存在が噂されている野人と同一の怪物とも言われている。
この大脚怪だが、最近少々気になっていることがある。それがチュパカブラとの類似性だ。
かねてより筆者は、闇夜に牛馬に忍びより血を吸って殺してしまう徳島の妖怪・牛打ち坊とチュパカブラとの類似性を指摘してきたが、この大脚怪とチュパカブラもたいへん似ている。
数メートルは簡単に飛び上がる強いジャンプ力、小動物の血を吸う部分などが類似しているのである。
古代の中国で恐れられた大脚怪は、チュパカブラと同一の存在ではなかったのだろうか。
人間が幻視する怪異は、時代が変わってもそのモチーフやストーリー展開は変わらないものなのであろうか。
(山口敏太郎 ミステリーニュースステーションATLAS編集部)