事件

アメリカ最悪のカルト集団自殺!!「人民寺院」事件

人民寺院事件は、1978年に南米のガイアナで発生した集団自殺事件である。人民寺院という宗教団体の900名余りの信者が、シアン化合物を混ぜた飲料を飲んで集団自殺を行なった衝撃的な事件であり、2001年の9.11が発生するまでは、アメリカ合衆国の最多被害者数を記録していた。

人民寺院は、社会主義の信奉者であったジム・ジョーンズにより設立された。子どものころから友人を作ることが苦手であり、社会的に疎外感を抱いて生活していた彼は、アメリカで抑圧されている黒人に対してシンパシーを感じたことで人種差別解放を説くようになっていった。

アメリカ共産党の集会に参加したことで嫌がらせなどを多く受けたことも、彼の思想に影響を与えた。また学生牧師として協会に所属していた際、黒人の受け入れをしようとして長老や古参の信者から激しい抵抗を受けたことがきっかけとなり、既存の教会から袂を分かつこととなった。

1955年に「人民寺院」を立ち上げ、のちにガイアナに移転し「ジョーンズタウン」と名付け本拠地とした。ジョーンズタウンは自給自足に近い環境であり、社会主義的なユートピアを建設するための地として1500ヘクタールもの規模であったという。ジョーンズは、テレビやラジオにも出演し活動を広げ、貧しい人々に対する食事や仕事を与えるといった支援を行なうことで、メディアも注目するようになっていった。

しかし、そうした閉鎖的空間の中で、規模が大きくなるにつれて外部からの攻撃を受けていると盲信するようになり、信者への虐待や脱会者への罵りが始まった。徐々に問題が浮き彫りになっていた矢先、調査のためにジョーンズタウンへ訪れた下院議員が信者から銃撃され死亡する事件が起こった。

これによって政府から攻撃されると判断したジョーンズは、信者たちとともに服毒し死亡した。彼の傍には45分に及ぶ集団自殺の様子を録音したテープが残っており、「非人道的な世界に対抗する革命的自殺だ」という彼の主張でテープは終わっているという。

集団自殺を含めたカルト教団の行動は、現在でも世界各地で聞かれている。このような話題では、「なぜそんなものを盲信してしまうのか」といった意見が必ずといっていいほど聞かれる。しかし、安易に信者を愚かだと考えてはならない。人民寺院に見られる信仰の背景には、「この生活から助けてほしい」といった救済の気持ちのほか、「自分の力で世界を良くできないだろうか」といった正義感も存在していた。

これはのちのオウム真理教でも同様だろう。生きていく中でのあらゆる選択に迷っている時、人は明確な白黒をつける説明を欲し、一度明確な“答え”を備えるとそれに依存する。誰でも、盲信の萌芽は持っている。

カルトという存在を考える場合、信仰それ自体の否定は何も解決しえないのだ。

【参考記事・文献】
・瓜生崇『なぜ人はカルトに惹かれるのか』
・死者900名以上、史上最悪の集団自殺「人民寺院事件」
https://zozozo.jp/case/memoir-case-1
・カルト団体「人民寺院」 ジャングルに埋もれた虐殺の記憶 ガイアナ
https://www.afpbb.com/articles/-/3442969

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(にぅま 山口敏太郎タートルカンパニー ミステリーニュースステーションATLAS編集部)

画像 ウィキペディアより引用