妖怪・幽霊

心霊イベント団体、所有する事故物件に於ける犯行の一部始終をYouTubeで公開

心霊スポットと呼ばれる廃墟に赴いて肝試しした、という話は夏場になるとよく耳にするもの。だが一方で、これは不法侵入に当たらないのかという疑問も出てくるのではないだろうか。

結論から言うと、一見放置された廃墟に見えたとしても所有者が存在する事が一般的であるため、不法侵入に問われる可能性もある。事実、海外や日本国内でも心霊スポットへの突撃事例が問題視されることが増えてきている。

5日、イベント団体の「暗夜-ANNYA-」がYouTubeチャンネルにてある動画を公開した。それは同団体が所有する事故物件に設置されていた監視カメラによる約40分間の記録映像だった。

「暗夜-ANNYA-」は事故物件や幽霊屋敷とされる物件を複数所有している団体で、実際に物件に泊まってみる等の恐怖イベントを多数開催している。暗夜によれば、5日午前4時頃に管理している事故物件「茨城県S邸」に複数人の若者で構成されたグループが勝手に侵入、家の中にある備品の窃盗や器物損壊行為を行った模様。

YouTubeで公開された動画には侵入者がカメラを発見し、録画を恐れてか破壊に及ぶ一部始終もはっきりと映っていた。設置していた防犯カメラは侵入者によって全て破壊されてしまったが、映像は全てネット上に自動で記録される仕組みになっていたため、今回の公開に踏み切ったようだ。ちなみに今回の物件は人気YouTuberはじめしゃちょーも泊まった物件であり、7月に「幽霊屋敷に泊まろう。茨城編」というタイトルで動画が公開されていた。

「暗夜-ANNYA-」が所有する曰くつき物件に人が入り込むのはこれが初めてではないようで、別の動画では団体代表の桐木氏が異変を察知して警察に通報する様子や、侵入された後の現場の様子を公開。冷蔵庫に保管されていたジュースの空き缶が散乱していたり、テレビが盗まれている様子を見て「最悪だ」とつぶやく様子が記録されていた。また、動画の中で桐木氏は警察に対し被害届を提出する旨を伝えていた。

こういった廃墟や心霊スポットでの無法行為はかなり前から問題視されており、近隣住民が興味本位で訪れる人たちに対して苦情を訴えることもしばしばだ。2年前には神奈川県警が心霊スポットとして噂の建物に入り、怪奇現象が起きないことや勝手に侵入すると罪に問われる可能性があることを伝える動画をYouTubeで公開して注目を集めていた。




しかし、こういった注意喚起も本当に届けたい層には届かなかったようだ。

「暗夜-ANNYA-」側は今回の事態を重く見ており、X(旧Twitter)でも「どうか発見のご協力お願いいたします」と呼び掛けている。動画を見た人たちからは侵入者のマナーの悪さに憤慨する声や、彼らの顔や愚かな行為がはっきり映ってしまっていることを揶揄する声が上がっていた。

心霊スポットへ肝試しに行くのは誰もがやってみたくなるものだが、住んでいる人がいなくても管理している人たちの迷惑になったりしていないか、今一度立ち止まって考える必要がありそうだ。

(勝木孝幸 山口敏太郎タートルカンパニー ミステリーニュースステーションATLAS編集部)

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