スピリチュアル

自分の腕が勝手に動きだす「エイリアンハンド症候群」とは?!

エイリアンハンド症候群とは、自分の意識と関係なく手・腕が勝手に動いてしまう病気であり、日本語では「他人の手徴候」とも呼ばれている。1908年、ドイツの神経精神病学者カート・ゴールドシュタインによって初めて報告された症例とされており、それ以後でも40~50例ほどしか報告例のないきわめて珍しい奇病である。

冒頭でも述べたが、その症状は片方の手が突然ひとりでに動き出してしまうというものである。体が勝手に動いてしまう症状としてチック症候群があげられるが、エイリアンハンド症候群の場合は、チック症候群のような一瞬の動きどころではなく明確な動作として現れる。

患者によってその挙動は様々だが、正常な側の手で何かしら行なおうとすると、その手につかみかかるといった妨害をしようとする、自分が必要としていないものを勝手に持つ、時として明らかに自分に危害を加えようとする動きを起こす、などといった報告がなされている。

エイリアンハンド症候群の具体的な原因は明らかになっていない。しかし、脳腫瘍や脳卒中といった、脳に何らかの損傷を負った結果、この症状が現れることが多いという。また、左右の脳をつなぐ脳梁と呼ばれる部分が、部分的あるいは全体的に損傷されてしまったことによって、左右の脳の連絡が分断してしまい、あたかも人格が分離したような挙動を引き起こしているのではないかとも考えられている。




エイリアンハンド症候群は、自分の意志とは裏腹に、それも自分が正常な側の腕で行なっていることとは逆の動作を起こす例が多いので、まさしく「何者かに操られている」かのような挙動に見えてしまう。患者の中には、声をかけて抑制するように説得するといったような、暴走する腕に対して意志を持った別の何者かであるかのように対応する者も少なくないという。

エイリアンハンド症候群という認知がなされていない時代や状況によっては、日本における憑き物や世界の悪魔祓いといった事例に、エイリアンハンド症候群が関連していた可能性は大いに考えられるだろう。

一見すると、中二病表現にありがちな「鎮まれ俺の左腕!」といった演出を彷彿とさせるが、当事者としては笑いごとで済まされるものではない。場合によっては生活に支障をきたし、悩ましくそして苦痛を強いられるものであり、時として生命活動にも関わる。

この名称から誤解を受ける可能性も少なくないだろうが、広く知られ理解されること、そして治療法が確立することを望みたい。

【参考記事・文献】
・勝手に手が動く!?エイリアンハンド症候群の原因と治療
https://nou-reha.com/news2/stroke_news/7808
・自己の意思とは無関係に手が勝手に動く。エイリアンハンド症候群の謎
https://karapaia.com/archives/52310172.html
・悪魔祓いされた謎の病
https://www.ntv.co.jp/gyoten/backnumber/article/20170502_04.html

【アトラスニュース関連記事】

【アトラスラジオ関連動画】

(にぅま 山口敏太郎タートルカンパニー ミステリーニュースステーションATLAS編集部)

Photo credit: lolita not dead on Visualhunt