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想像の中の家を歩く「霊感テスト」は霊感の有無を知るためだけのものなのか?

霊感とは、通常では捉えることのできない霊的存在を五感によって認識できる能力を言う。例えば幽霊の存在について、においで認識する、音で認識するといったものがあり、その中でも目で見えることで認識する事例は圧倒的に多い。

現在のネットには、「霊感チェック」「霊感診断」といった自分自身の霊感の有無や度合いを調べるサービスがあふれている。民間的な心理テストでありがちな、あるシチュエーションを想定してその時自分がどう考えるか、もしくはどう行動するかという選択をせまるものをはじめとして、複数ある項目から当てはまると思うものを全て選択するもの、あるいは手相を見るものなど多種に及んでいる。

そうした霊感テスト・チェックの中で、いつのころからか知られるようになった方法がある。それは、まず静かな場所で目をつぶり自分の実家を想像する。玄関の扉から家に入って家中の窓を一つ一つ開けていき、玄関に戻ってきたら再度各部屋の窓を今度は閉めて回り、玄関に戻るというものである。

このテストでは、部屋を回っている最中に誰かとすれ違った場合、その人は霊感を持っていると言われている。チェック結果については、誰かとすれ違ったその場所に幽霊が実際にいることを示している、見知った親類や知人が出てきた場合は近いうちにその人物が亡くなる、といったバリエーションも存在しているようだ。




また、出会った人物の数が多いほど霊感が強いとも言われる。

「洒落にならないくらい恐い話を集めてみない?」通称『洒落怖(しゃれこわ)』の記念すべき第一スレッドによれば、2000年8月上旬時点でこの方法にまつわる短い話が書き込まれているが、より遡ると1990年に発行された書籍『わたしのまわりの怪奇現象1000』に類似した方法が掲載されているということから、この霊感テストの様式は平成初期には既に存在していたようである。

こうした実在の場所をイメージして霊感を確かめるという方法は、他では見かけられないため非常に独特であると言える。その内容からすると、霊感テストというよりはある種の体外離脱への訓練のようにも思えるのが興味深い。

そう考えると、実家へ実際に自分の生霊を飛ばしているという、そもそも霊感があるか否か以前に、自分自身が(一時的にではあるにしても)霊体となっている状況ではないのかとも思えてくる。

【参考記事・文献】
・朝里樹『日本現代怪異事典』
・洒落にならないくらい恐い話を集めてみない?
https://piza.5ch.net/test/read.cgi/occult/965152644/

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(にぅま 山口敏太郎タートルカンパニー ミステリーニュースステーションATLAS編集部)

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